学校法人会計の特徴と企業会計との違いについて

 一般企業において作成される計算書類は「損益計算書」と「貸借対照表」の2種類です。これは企業の目的が利益追求であることから、当該年度の正しい損益の状況と、財政状態を利害関係者に開示する必要があるからです。

これに対し、学校法人の目的は、学校を運営し、教育・研究活動を遂行することです。学校法人において作成される計算書類は「資金収支計算書」「事業活動収支計算書」「貸借対照表」の3種類です。学校法人の収入の多くは学生生徒等納付金や補助金であり、公共性の高い公益法人です。そのため一般企業のように利益のみを追求することはできず、広く学校経営における教育・研究活動のための財務の健全性の程度を開示する必要があります。

学校法人 企業
目的 教育・研究活動 利益の獲得・配分
決算書 計算書類
・資金収支計算書
・事業活動収支計算書
・貸借対照表
財務諸表
・キャッシュフロー計算書
・損益計算書
・貸借対照表 など

以下、学校法人会計における用語を解説してまいります。

 

計算書類の用語解説

計算書について

「資金収支計算書」
当該会計年度に行った諸活動に対応する全ての収入および支出の内容を明らかにし、 資金(現預金)の流れを表した計算書です。
「事業活動収支計算書」
学校法人の運営の永続性を維持するために、当該会計年度の事業活動の収入と支出の 内容及び均衡の状態を明らかにすることを目的とした計算書です。「教育活動収支」「教育活動外収支」「特別収支」に分かれ、それぞれの収入・支出のバランスを表しています。
「貸借対照表」
決算日(年度末)における資産、負債、基本金及び収支差額を明らかにし、学校法人の財政状態を表すものです。

計算書類の科目について

「資金収支計算書」「事業活動収支計算書」に共通する科目

 

学生生徒等納付金 在学の条件として学生から納付されるもので、授業料、入学金、実験実習費、施設設備費等、学則に定められた納付金をいい、収入のうち最も大きな割合を占めています。
手数料 入学試験、追試験等のために徴収する収入、あるいは在学証明、成績証明等のために徴収する収入をいいます。
寄付金 金銭その他資産を寄贈者から贈与されたもので、補助金とならないものをいいます。
補助金 国や地方公共団体等から交付される助成金をいいます。
資産売却収入(差額) 不動産、有価証券等固定資産の売却による収入(差額)をいいます。
附随事業・収益事業 学校法人の補助活動事業、附随事業、受託事業及び収益事業等からの収入をいいます。
受取利息・配当金 預貯金、有価証券の利息、株式の配当金をいいます。
雑収入 施設などの賃貸収入、その他学校法人の負債とならない上記の各収入以外の収入をいいます。
人件費 専任教職員、非常勤講師等に支給する給与や理事及び監事に支払う報酬等をいいます。
教育研究経費 教育研究活動に要する経費をいいます。印刷製本費、光熱水費、旅費交通費、奨学費、修繕費、業務委託費等があります。
管理経費 総務、人事、経理業務や学生募集活動等に要する経費で、教育研究経費以外の経費をいいます。

 

「資金収支計算書」の科目

 

前受金収入 当年度において、翌年度の諸活動に対応する資金の収入をいいます。主に翌年度の学生生徒等納付金です。
施設関係支出 土地、建物、構築物、建設仮勘定等の支出をいいます。
設備関係支出 教育研究用機器備品・管理用機器備品、図書、車両等の支出をいいます。
資産運用支出 有価証券の購入費、引当特定資産への繰入等の支出をいいます。
資金支出調整勘定
・期末未払金
・前期末前払金

当年度中に支払うべき支出のうち翌年度以降に支払うものです。
当年度中に支払うべき支出のうち前年度までに支払ったものです。
翌年度繰越支払資金 当期末の支払資金の残高を表す科目です。

 

「事業活動収支計算書」の科目

 

事業活動収入 学生生徒等納付金、手数料、寄付金、補助金等の学校法人に帰属する収入です。借入金や翌年度に入学する学生・生徒の入学金・授業料等の前受金は含みません。
事業活動支出 人件費、教育研究経費、管理経費、借入金利息等の支出です。退職給与引当金繰入額や減価償却額を含みます。
教育活動収支差額 経常的な収支のうち、本業の教育・研究活動の収支状況を表すものです。
教育活動外収支差額 経常的な収支のうち、財務活動による収支状況を表すものです。
経常収支差額 経常的な収支均衡状況を表すものです。
特別収支差額 特殊な要因によって一時的に発生した臨時的な事業活動収支状況を表すものです。
基本金組入前当年度収支差額 教育活動収支と教育活動外収支(教育活動以外の経常的な活動収支)を併せて経常収支とし、特別収支(臨時的なそれ以外の活動収支)を加減した額です。
基本金組入額 学校法人が諸活動の計画に基づき、教育研究の維持・充実に必要な資産を継続的に保持するための金額であり、当年度収支差額から組み入れた金額で、第1号基本金から第4号基本金までがあります。
●第1号基本金…設立当初に取得した固定資産や規模の拡大もしくは教育の質の向上のために取得した固定資産の価額
●第2号基本金…将来取得する固定資産に充てる金銭その他の資産の額
●第3号基本金…基金として継続的に保持し、運用する金銭その他の資産の額
●第4号基本金…恒常的に保持すべき資金として文部科学大臣の定める額
当年度収支差額 基本金組入前当年度収支差額から基本金組入額を控除した額です。
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