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総合政策学部 総合政策学科

秡川 信弘 教授



Nobuhiro Haraikawa

■担当講義
環境論入門(人間と環境)、グリーンツーリズム論、環境と農業、アグリビジネス論、自然環境保全論(大学院)

最終学歴
1982年3月、東北大学大学院農学研究科(農学修士)

■経歴
1984年 4月 農林水産省入省
1989年 4月 農林水産省熱帯農業研究センターに異動
1994年 4月 農林水産省農業研究センターに異動
2000年 4月 東北文化学園大学総合政策学部助教授に就任
2003年 4月 東北文化学園大学健康社会システム研究科を兼任
2004年 4月 東北文化学園大学総合政策学部教授に昇格

■研究テーマと研究成果について
3.11震災は生命の尊さや生き方について考える機会を与えてくれる出来事だった。限られた時間の中で、社会や自然とのかかわり方を含む人間の生き方について論究したいと考えている。
総合的な論究の土俵をつくるには、一度、専門性の枠組みを外したうえで、新たな枠組みを構築する作業が求められることになるだろう。かかる視点から以下の研究成果を紹介したい。

○秡川信弘(2016)地域農業システムの持続性に関する考察—『会津農書』に学ぶ農業経済学—, 総合政策論集Vol.15, No.1, pp.3-34

○秡川信弘(2015)ソローの「森の生活」と現代社会:有機農業に関する一試論, 有機農業研究, Vol.7, No.1, pp.9-17

○「ほ場生態系の持続性と環境保全型農業」, 戦後日本の食料・農業・農村編集委員会編 『戦後日本の食料・農業・農村 第9巻 農業と環境』, 農林統計協会, 2005年, pp.191-208

上記の成果は、「打ち寄せる国際化の波にもまれている日本農業の現実を歴史的視点で鳥瞰し、将来の方向を展望し構想する」という目的の下に、戦後日本の食料・農業・農村編集委員会が世に問うた全17巻の共同作業の些末な一節を担当したにすぎないが、農業経営をマネーフローのみでなく、物質循環の視点から捉え直そうという意思表示を行ったという意味で「枠組み」を外す出発点として位置付くものと考えている。

○ロバート・チェンバース著, 野田直人・白鳥清志監訳 『参加型開発と国際協力 変わるのはわたしたち』 (Robert Chambers WHOSE REALITY COUNTS?, Intermediate Technology Publications, 1997), 明石書店, 2000年 (秡川は共訳者の一人として参加)

「自立」や「共生」といった用語は巷に氾濫しているが、途上国の開発にかかわる専門家が陥りがちな自らの「過ち」に気付き、変えていくためには、理念を堅持するだけではなく、その理念を実現するために必要な(実用的な)技術(本書では参加型手法を強調している)を身に付けることが求められる。当然のことだが、外すにも、組み立てるにも、それに適した道具が必要なのである。

○「冬期湛水による圃場管理と生物多様性保全」, 木村伸男・木南章編 『日本農業経営年報 No.5 新たな方向を目指す水田作経営』, 農林統計協会, 2006年, pp.208-227

この研究を進める中で、スペインのカタルーニャ地方にあるエブロデルタを調査する機会に恵まれた(冒頭の写真参照)。農薬や化学肥料の使用を抑えて栽培される安全で安心できるオーガニックな米を生産する水田地帯は、文字通り、鳥たちにとっての楽園であり、私の心を癒してくれるものだった。
津波の被害を受けて変わり果てた水田風景を眺めていた時、「あの風景をこの地で再現できないものだろうか?」という考えが一瞬脳裏をよぎった。