Ⅴ 学部、学科案内

臨床工学科

臨床工学科では、生命維持管理装置(人工透析装置、人工心肺装置、人工呼吸装置、手術用機器、除細動装置、ペースメーカ、高気圧酸素療法装置等)を中心とした医療機器の操作、安全管理を行い、高度化したチーム医療を支える臨床工学技士を育成することを主目的とする。また先進的医療機器の研究、開発に必要な知識・技術・研究心を学び、社会に貢献できる能力を養成する。

臨床工学技士は「いのちのエンジニア」と呼ばれ、医療機関において「生命維持管理装置の操作及び保守点検を行う医療機器のスペシャリスト」として活躍している。発展を続ける医療の中で、医療の高度化を支える医療チームの一員として、医師や看護師と共に働く重要な役割を担う、専門的な工学知識を持った唯一の医療従事者である。

1988年臨床工学技士法が制定され、臨床工学技士の養成が始まった。本学科の前身である東北文化学園専門学校臨床工学科は当時全国で4校認められた養成校の一つであり、それ以来多くの臨床工学技士を、東北を中心に全国に送り出した。東北の臨床工学技士の約7割が本専門学校の臨床工学科卒である。本学科は、専門学校で永年にわたって蓄積された、臨床工学技士養成に必要な教育経験、現場で必要とされる知識・技術、国家資格の取得に重要なノウハウ、就職に必要なネットワークや卒業した学生への医療機関・メーカからの信頼度を有し、全国の他の臨床工学義養成機関に優るものがある。本臨床工学科は前身の東北文化学園専門学校臨床工学科の、教育、研究、就職に係る伝統・蓄積を引き継いで発展して行く。

 1) ディプロマ・ポリシー、アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー

臨床工学科では、次の教育理念と目的のもとで教育研究を行う。

1. 教育理念・目的

医療技術と医療機器の高度化に基づく高度医療を支える臨床工学技士の養成を目指す。単なる技術者ではなく、広い教養、豊かな人間性と研究心を持ち、かつチーム医療の一員として働き、新たな医療機器の開発にも参加できる臨床工学技士を育成する。

2. 学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

「知識・理解」

・広い教養と豊かな人間性を有し、生命の尊厳に対し深い理解を示す能力を有する。

「思考・判断」

・臨床工学の進歩に対応可能な理工学的素養を身につけるとともに、その高度化に貢献できる。

「技能・表現」

・臨床工学の専門職としての能力と自覚を持ち、チーム医療の重要な一員として協力し、積極的に行動できる。

「関心・意欲・態度」

・常に努力を怠らない強い意志とチーム医療に必要な協調性・コミュニケーション能力を有する。

3. 入学者受け入れの方針(アドミッション・ポリシー)

「知識・理解」、「思考・判断」

・臨床工学を学ぶのに必要な基礎学力(国語、外国語、数学、物理、化学、生物)と知識の活用力を身につけている人。

「技能・表現」

・臨床工学に強い関心を持ち、チーム医療の重要な一員として臨床工学技士が携わる医療を通して社会に貢献したい人。

「関心・意欲・態度」

・常に努力を怠らない強い意志とチーム医療ならびに福祉との連携に必要な協調性・コミュニケーション能力を有する人。

求める学習経験

・多分野の専門職が連携して仕事をするために必要な人間性や探究心を持ち、学んでいる。

・自己の能力を高める努力を常に行っている。

4. 教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

ディプロマ・ポリシーに定めた目標を達成するために体系的・順次的な教育課程を編成し実施する。基礎科目、専門基礎科目、専門科目および研修科目をもって構成する。時系列的にも、概ねこの順に教育が行われる。

「知識・理解」

・基礎科目を設け、大学生にふさわしい教養と豊かな心を身につける教育を行う。

「思考・判断」

・専門基礎科目を設け、工学と医学に関する幅広い知識と技量を身につける教育を行う。

「技能・表現」

・専門科目を設け、臨床工学技士として必要な知識と技量を身につけ、かつチーム医療の一員として活躍できる臨床工学技士を育成する教育を行う。

「関心・意欲・態度」

・研修科目を設け、社会人基礎力と研究心を持つ臨床工学技士を育成する教育を行う。

 2) カリキュラムの特徴

 【基礎科目】

基礎科目は、医療健康科学、人文社会科学、自然科学、語学、全学共通科目からなる。必修10単位を含む23単位以上の単位取得が必要である。

科学技術学部他学科との共通性は高い。他学科に無い特色は語学に医学英語を追加したことである。医学英語は専任教員が担当する。基礎科目によって広い教養と豊かな人間力、基礎的な学力を身につけるとともに、地域社会、国際社会、人類の未来に貢献できる能力を養成する。特色は以下の通りである。

・広い教養と豊かな人間性を育成する、医療健康科学、人文・社会科学、全学共通科目及び実践的教養教育の実施

・国際社会への理解を深める語学教育の充実と海外研修の機会の設定

・工学と医学の専門教育のための基盤構築

 【専門基礎科目】

専門基礎科目は、工学系と医学系に分かれる。工学系は、電気・電子・機械・システム制御等についての基礎を学ぶ。医学系は医学基礎を学ぶ。専門基礎科目から必修45単位を含む48単位以上の取得が必要である。特色は以下の通りである。

・臨床工学のための基礎工学教育

・臨床工学のための基礎医学教育

 【専門科目】

専門科目は、医用機器(以後、医療機器より広い意味を持つ医用機器を科目群名として用いる。)、生体機能代行、先端工学、臨床医学系に分かれている。専門科目から必修39単位を含む52単位以上の取得が必要である。特色は以下の通りである。

・医用機器の原理や構造、安全管理について学ぶ医用機器科目

・生命維持管理装置について学ぶ生体機能代行科目

・医用機器の将来を学ぶ先端工学科目

・循環器系や泌尿器系の構造、疾病について学ぶ臨床医学総論

・チーム医療における臨床工学技士の役割を学ぶ臨床工学セミナー

・講義内容の理解の深化とチーム医療の一員としての自覚を促すための臨床実習

 【研修科目】

研修科目は、卒業研究とインターンシップである。研修科目から必修4単位を含む4単位以上の取得が必要である。特色は以下の通りである。

・論理的思考力、企画立案力、実行力養成のための卒業研究

・社会人基礎力養成のためのインターンシップ

 3) 臨床実習

 【教育目標】

臨床実習の教育目標は、臨床工学技士養成所指導要領において述べられている「臨床工学技士として基礎的な実践能力を身につけ、医療における臨床工学の重要性を理解し、かつ、患者への対応について臨床現場で学習し、チーム医療の一員としての責任と役割を自覚する。」である。すなわち、養成課程で学んだ知識と技術が医療現場でどのように活かされているかを確認する場である。また医療従事者としての考え方や患者対応について実践的に学ぶことを目的としている。臨床実習では、臨床工学技士が医療現場で、関係職種との連携を図りながら医療が実施される現場を体験することで、学生が目指す臨床工学技士像を明確にしていくことが重要である。

 【実習の具体的な実施方法】

本学科では、臨床実習を4単位180時間(4年次前期)として以下の項目について、病院各部署において実習する。臨床実習日数は24日以上、総時間数は180時間以上になる。

実習項目: 血液浄化装置実習               実習日数6日(45時間)以上

    集中治療室実習(人工呼吸器実習を含む)   実習日数6日(45時間)以上

    手術室実習(人工心肺装置実習を含む)    実習日数6日(45時間)以上

    医療機器管理業務実習等           実習日数6日(45時間)以上

上記実習項目を満たすために、東北地方の主たる病院を実習施設とし、実務経験の豊富な実習指導者の下で、手術室、集中治療室、人工透析室および医療機器管理室等の実際の医療現場に立ち会い、見学ならびに実習を行う。また患者接遇についても指導者の下で学ぶ。実習先病院へは原則学生2人を1班として配置する。

 【指導計画】

・実習前の指導計画

教育課程の臨床工学セミナーⅢ、Ⅳにおいて臨床実習のシミュレートを行う。手術室、集中治療室、人工透析室などの医療現場における医療行為の実際を想定し、臨床工学技士が行う業務について、学内の装置を使用した実際的な訓練を行う。また臨床工学セミナーⅢ、Ⅳでは実習指導者を招いての講義も予定しており、医療現場での臨床工学技士としての役割やチーム医療について学び、臨床実習に臨む学生の意識を高める。

臨床実習前のガイダンスでは、臨床実習の目的、実習内容、到達目標、実習日誌、学生自己評価表、単位認定方法、事故が生じた場合の対処方法及び連絡方法、傷害保険や損害賠償保険等について学生に周知する。各実習施設においても、実習指導者又は実習責任者がガイダンスを行い、実習施設の概要・特徴、事故が生じた場合の対処方法及び連絡方法等を理解させ、実習計画を確認させる。

・実習後の指導計画

臨床実習後は、臨床工学セミナーⅣで、実習報告を行い、実習内容、気が付いたこと、反省点を述べ、これから実習に臨む学生の意識を高めるとともに経験や課題を学生間で共有する。

教員は学生と個別面談し、学生自己評価表、実習指導者評価表、実習日誌を基にして意見を交換し、次の実習に向けての指導を行う。

 4) カリキュラムツリー(別頁)

科学技術学部 臨床工学科 カリキュラムツリー [PDF]

 5) カリキュラム配置図(別頁)

科学技術学部 臨床工学科 カリキュラム配置図 〈28 年度 入学者用〉[PDF] 

 6) 授業科目一覧表(別頁)

【授業科目一覧表・卒業要件単位数】

科学技術学部 臨床工学科 平成28 年度入学者用[PDF]

 7) その他(詳細は別に定める)

・実習概要

・卒業研究

 8) 東北文化学園大学科学技術学部臨床工学科における進級及び臨床実習の履修に関する細則

東北文化学園大学科学技術学部における履修登録単位数の上限に関する細則

東北文化学園大学科学技術学部臨床工学科における進級及び臨床実習の履修に関する細則

 9) 目標とする国家試験・資格

・卒業時に得られる資格

・学士(工学)

・臨床工学技士国家試験受験資格(国家試験受験資格獲得に必要な科目の単位を取得した場合)

・国家試験に合格後、臨床工学技士免許

・在学中または卒業後に取得を目指す資格

・第1種、第2種ME技術実力検定

 10) 将来の進路

臨床工学技士免許を得て、将来の職場として目指すものは以下のようなものである。

・病院及び診療所等の医療施設

・国及び地方公共団体の医療・保健・福祉行政部門

・大学を含む教育研究機関

・医療機器メーカ