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2015.03.20
教員News(No.23)
学科専攻 リハビリテーション学科・作業療法学専攻 NEWS 教員 お知らせ(皆さんへ)

3月の月についてのお知らせ

 

島田 洋一

 

  月の見た目の大きさに違いがあることを知っていますか.実は3月6日の満月は今年最小の大きさでした.月の直径は約3470kmで地球の4分の一程度です.もし地球と月との間の距離がいつも等距離にあるのであれば,いつも同じ大きさの月が見られるでしょうが,実は最長約406,700Km,最短は約356,400kmと地球を一回りした距離位の違いがあります.その最長距離の満月を3月6日に見ることができたということです.(今年,地球と月の距離が最長距離となるのは9月14日ですが,その時の月は満月ではありません)

 ところで,天体の軌道は等円ではなく楕円であることを発見した人はドイツ(当時は神聖ローマ帝国)のヨハネス・ケプラー(1571年~1630年)という人です.伊達正宗(1567年~1636年)とほぼ同時代の人です.ケプラーは4歳時に天然痘を患って目が良く見えなかったということです.(伊達正宗も天然痘のため右目を失明したといわれています)

 当時まだ望遠鏡は発明されていませんでした.どのようにして星を観測したかというと,コンパスや分度等を使っての目視によるものでした.その第一人者はデンマークのチェコブラーエ(1546年~1601年)という人で,一説によると彼の観測精度は,平均1分(角度の単位で1/60度),最大2秒(角度の単位で1秒は1/60分)という,人間離れしたレベルにあったということです.

チェコは,その素晴らしい観測技術によって膨大なデータを蓄積しましたが,それらを十分に分析することができず,当時主流の天動説を唱えるに止まりました.ケプラーは,そのデータに基づいて星の軌道を計算し,地動説に対する確信を得ると共に,第1法則(楕円軌道の法則),第2法則(面積速度一定の法則),第三法則(調和の法則)という三つの法則を導き出したのです.

 彼らの生い立ちや性格は正反対に近かったと,カール・セーガンの『コスモス』には記されています.ケプラーは貧しい家で育ち,そして一生涯貧困の中で生活しました.その性格は真面目で融通が利かずといった人であったようです.一方,チェコは貴族出身で裕福で,宴会好きで性格が荒く,若いときに決闘で鼻をそぎ落とされ,それ以降は金属製のつけ鼻をしていたといわれています.

 卓越した観測技術を有していたチェコ,目が不自由で観測はできなかったが,その分析能力によって「星は楕円軌道である」という当時の常識を覆す法則を見出したケプラー,「科学と技術の関係について」といった哲学的なテーマとして取り上げることもできるかと思いますが,残念ながら私にはそれだけの知識も能力もありません.この二人のことを考えるといつも思い出されるのは,昔読んだゲーテの『箴言と省察』の中の「願わくは多方面にわたりたいものだ.テルトー産のカブラは美味しい.栗といっしょに食べると,美味この上もない.しかも,この貴重な二つのものは,たがいに遠く離れた土地の産物なのだ」という言葉です.

 このままでは食べ物の話で終わりそうなので,もう一度伊達正宗に戻りたいと思います.伊達正宗といえばその兜の三日月を忘れることはできません.ちょうどその兜のように傾きが強く,杯のようになった三日月をこの3月22日に観測することができます.それだけでなくその三日月の上方には金星が,下方には火星が揃って見えるというおまけ付きです.   

ケプラーは,彼の第一法則を発見した際にチェコの火星のデータを使用しました.火星は,昨年地球に比較的接近した後,徐々に遠ざかっているため今は小さくてあまりよく見えないかもしれません.

3月22日の夕方は西の空を見て下さい.三日月と金星はすぐに見つかるかと思います.一方火星はその周囲,特に下方を注意深く見て下さい.僅かに赤い星が見えるはずです.今から400年余り前に,この火星によって二人の学者が成し遂げた大発見の過程をちょっと追体験しながら,弥生の三日月を愛でてはいかがでしょう.

 尚,3月6日の満月の情報や22日の三日月の情報は「2015年太陽・月・星のこよみ」というカレンダーの中の「天象のハイライト」というコラムを参照させていただきました.詳しくお知りになりたい方はそちらをご覧ください.以下のホームページから情報が得られるはずです.

公益財団法人国際文化交友会 月光天文台http://www.gekkou.or.jp/g-3/ht3-13/phenome-2013/ten-13-08.html

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