人と人、人と法人、法人と法人のルールを司る民事法の分野でも特に、消費者問題や企業間競争ルールを定めている法律を研究対象としています。
なぜこの研究を始めたのですか?
研究テーマである独占禁止法や消費者法に興味を持ったきっかけは、日米貿易不均衡を是正するために1989年から行われた日米構造協議です。大学時代に読んだ法律雑誌で日米構造協議に関する活発な議論を目の当たりにし、法律への興味がより深まりました。さらに大学院時代に経済法・消費者法の研究者達から影響を受け、取引の対等性の問題や消費者・中小事業者の権利を守りたいと強く思い今に至っています。
社会との関わりは??
職業としては法曹界、民間企業、公務員等幅広い分野の人たちと関わりがありますし、自らの生活のためにものやサービスを購入する「消費者」はすべての人に該当しますので、社会との関りは無限大だと思います。
社会の中でどんな応用の可能性がありますか?
私は消費者の行動を法律学的な観点からアプローチしていますが、これが経済学的な観点になると消費経済学の問題になります。企業間競争のルールの問題は国民経済に関わる問題でもあります。このように消費者法・経済法の応用として国の政策の舵取りへの一助が挙げられます。また一つの問題を解決するためには法律学、経済学、経営学、社会学等様々な観点からアプローチをする必要があり、それらの分野との連携した研究が今後主流になると思われます。経営法学部ではこれらの学問を一つの学部内で学ぶことができます。
これから学ぼうとする人たちに向けて、研究領域の魅力を伝えるメッセージをお願いします。
人が2人以上集まるとルールが生まれます。商品を買ったらお金を払うなど、日常の中で自然と身につくルールがある一方で、消費者法・独占禁止法など自ら勉強しなければ覚えられないルールもあります。こうした法律は、大学でこそ学べる分野のひとつだと思います。
大学ではゼミやフィールドワークなどで現場の声を聞く機会もあるので、あなたは誰を守りたいのか、そのためにはどのような法律が必要かなどを積極的に考えてください。社会で実践されている血の通った法律を学びたいと思うなら、ぜひ経営法学部で一緒に研究をしましょう。