研究が進んだことで使用制限の緩和が進んだものもあります。
「一時期は電車内での携帯電話の使用は、心臓のペースメーカなどに影響すると電源を切るようにと言われていましたが、携帯電話の受信感度が良いと電波の出力が小さくなって医療機器に与える影響が極めて小さいとことがわかって、病院などでの携帯電話の使用の規制を緩和してはという動きが出ています。」
一方で、病院内の医療機器の近くに携帯電話を置いた場合には誤作動する可能性もあり、今後、病院内の連絡ツールがPHSからスマートフォンへの切り替えが進んだ場合の規制方法については課題もあり、病院ごとに電波の強弱を調べるなど、対策を進めているそうです。
「総務省ではペースメーカの装着部から携帯電話は15cm以上離してくださいとなっていますが、実験結果を見ると数センチで誤動作をした事例があるだけ。ペースメーカ側でも一定の周波数の電波を受信した場合には受け付けないか、誤動作しないように対策しています。ペースメーカに通信機能もあり、生体内の情報検出や医療機関との情報伝達も容易になっています。そして、多くの医療機器は電磁的な両立性を図るEMC対策をしています。ただ、現場では10〜20年前の機器もたくさん使われているので、100%の対策が組まれたかは不明なところです」と相澤先生。
植込み式のペースメーカ