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医療福祉学部の沼田純希助教が石田實記念財団研究奨励賞を受賞しました

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 医療福祉学部リハビリテーション学科理学療法学専攻の沼田純希助教が「リズム生成と自動化に関わる時間処理機能と運動関連脳領域の役割に関する研究」で石田實記念財団研究奨励賞を受賞しました。


 また10月27日にはホテル仙台ガーデンパレスホテルで「2023年度 一般財団法人石田實記念財団研究奨励賞贈呈式ならびに研究発表会プログラム」が開催され、受賞者へ盾と賞状の授与式が行われました。

研究の概略
「リズム生成と自動化に関わる時間処理機能と運動関連脳領域の役割に関する研究」

 本研究は、脳が歩行などのリズミカルな運動をどのように制御しているのかを明らかにしようとするものです。一定の時間間隔で流れる音刺激にタイミングを合わせてボタンを押す課題を、片側のみ、両足同時もしくは両足交互の条件で行わせます。この音刺激の間隔はミリ秒から5秒近くまで 数種類を設定しています。いずれの条件も、時間間隔が長くなるにつれて、同期の誤差が大きくなっていきます。しかし、両足交互の時のみ、他の2つの条件よりも安定してリズムを刻むことができました。この結果は上肢では見られず、下肢に特異的な制御の仕方だと考えました。現在は、この制御の中枢を、脳と脊髄に分け調べています。方法は、経頭蓋磁気刺激法、経頭蓋直流電気刺激法という脳の興奮性を調べる検査や、H波という脊髄の興奮性を調べる検査を用います。同時に、共同研究として、パーキンソン病などの神経疾患の評価や治療への応用を目的とする研究も行っています。

 今回は、工学系の分野で認められた受賞となりました。リズム生成などヒトが時間情報をどのように認知・処理しているか明らかにすることは、情報通信、特にヒューマンインターフェイスやヒューマンマシンインタラクションの分野においても重要な基礎的知見になると考えています。

 本研究は、杏林大学医学部の寺尾安生教授、福島県立医科大学ヒト神経生理学講座の宇川義一教授、本学工学部の古林俊晃教授らのグループが進めてこられた中枢神経系の時間情報処理機構の研究を基に、共同研究として実施しているものです。この場をお借りして心より感謝申し上げます。

関連リンク
石田實記念財団研究奨励賞(WEB)