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教職員のみなさまへ~学生の「こころの不調」への対応について~

mental-illness

⑴こころの不調のサイン

①3つのポイント

  • 授業に出ているか
  • 睡眠と食欲はあるか
  • 友人や友達など相談できる人はいるか

学生の相談にのる際や学生を呼び出して話をする際は、内容に関係なくこの3つのポイントに留意して話を聴いてください。

②その他のサイン

  • 見た目に分かるほど、元気がない。落ち込んでいる。
  • 授業中ぼんやりしていることが多い
  • すぐに泣き出したり怒ったりと感情が不安定に見える。

⑵学生相談室を紹介する

気になる学生がいるときは、学生相談室をご利用ください。学生が了承した場合は、その場で学生相談室へ連絡いただき、相談日時を決めていただいても結構です。あるいは、ご連絡をいただいた上で学生と一緒に来室していただけると、学生も安心して相談室を利用できると思います。
学生相談室を勧める際は、以下のことにご留意ください。

①学生から「見捨てられた」と誤解を受けない伝え方をする

回答例

  • 「力になってくれる人を増やそう」
  • 「よかったら一緒に行こう」

②学生相談室の情報を教える

回答例

  • 「教員とは違う立場から、ゆっくりと話を聴いてくれるカウンセラーがいるよ」
  • 「あせって結論を出すよりも、カウンセラーに話して気持ちを整理してみてはどう?」

③行きたがらない場合

「どうして行きたくないのか」を訊いてみてください。
理由が学生の誤解からくるものかもしれません。

学生の回答例:「人に頼るのはダメなこと」
教職員の回答例:「『相談=人に頼ること』ではないよ。相談の結果、決断するのはあなた自身。相談することは、むしろあなたが自立する助けとなる行動だよ」

学生の回答例:「相談した内容が外部に漏れるのではないか」
教職員の回答例:「あなたの了承を得なければ、カウンセラーが勝手に知り得た情報を漏らすことはないよ」

それでも学生が「行きたくない」という場合は、無理強いをしないでください。教員との信頼関係を維持することが一番大切です。あるいは、一度学生相談室までご案内いただくだけでも結構です。場所が把握できると、その後学生が利用しやすくなるようです。

その他、学生対応について疑問や不安がある場合は、どうぞ学生相談室へご相談ください。


よくある質問

学生が相談に来たとき、どのように対応すればいいですか

Q. 学生が相談に来たとき、「自分の話をちゃんと聞いてもらえた」と学生が納得し、その後の成長につながるような対応をしたいと考えています。どうしたらよいでしょうか。

A.  学生が教職員に相談するというのは、「うまく伝えられるだろうか」「否定されないだろうか」など、教職員の想像以上に勇気のいる行動です。そんな中、自主的に相談に来たり呼び出しに応じたりした学生には、話しやすい雰囲気で接したいものです。「よく来てくれましたね」という労いの言葉や「雨が続きますね。寒くないですか」という他愛のない挨拶は、空気を和らげる効果があります。

相談の時間は、学生にとって自分自身のことを静かに考える貴重な機会でもあります。「話を聴きたい」「一緒に具体的に考えていきたい」というこちらの気持ちがきちんと学生に伝わるよう心掛けたいものです。途中で色々とアドバイスしたくなる気持ちは一旦横に置き、まずは話をさえぎらず、最後まで聞きましょう。
聞く側の表情や声も重要です。腕や足を組んだり、ふんぞり返った姿勢は、学生に威圧感を与え、話す意欲を低下させる可能性があります。相槌を打ったりうなずいたりしながら一通り話を聴いた後に、「○○ということなのですね」と要約して伝えると、学生は「話を受けとめてもらえた」とホッとした気持ちになるようです。このような体験の積み重ねが、この先困難を乗り越えていく学生の力になります。
また、面談開始時に何時まで(何分ぐらい)時間が取れるかを伝えておく方が、学生は安心して話ができます。授業の直前や遅い時間帯に急に来室する学生もいるでしょう。その場合は、学生に「じっくりと話を聴きたい」という気持ちを伝え、次に会う約束をしましょう。緊急性が高い場合や一人で抱えるには重すぎる相談内容の場合、「他の教職員と一緒にあなたを支えていきたい」という思いを伝え、本人の了解を得ておくとよいでしょう。
すぐに問題が解決しないときは「一緒に問題について考えていきたい。また〇日後に来てもらえたらと思うが、どうか」と伝えてみましょう。次の約束は、学生の安心に繋がります。そして相談終了後も、学生の様子を見守っていただければと思います。

ポイント
①一緒に考える姿勢を示す。
②目の前の学生をありのままに受容し、変化をサポートする。
③時間の設定をする。
④経過を見守る。

学生が何もしゃべりません

Q. 個別面接で質問をしても何もしゃべらない学生がいます。授業も真面目に聞いていますが、あてると反応できません。このような学生をどう理解し、対応したらいいでしょうか。

A. 人から注視される場面で過度な緊張や不安を感じる症状があります。また、家などでは普通に話せるのに、学校のような特定の社会場面で話せない状態を「場面緘黙」と言います。この症状のために、本来持っている力を充分に発揮できない学生がいます。本人は話そうと思っているのですが、声が出ません。それを「わざと話さない」「話したくない」と誤解されるのは、本人にとって大変つらいことです。話さないことを責めたりしないようにしてください。

質問の仕方を変えてみる方法があります。①オープン型の質問(「実験はどこまで進みましたか?」)に返答が無ければ、②選択肢のある質問(「今している実験はAですか?Bですか?Cですか?」)にしてみます。それでも返答が無ければ、③YES,NOで答えられる質問(「Aの実験は終わりましたか?」)に変えてみます。この時、言葉だけではなく選択肢を紙に書くと答えやすくなります。

「ずれたことを言って変に思われたらどうしよう」という自信のなさから答えられない学生も多いようです。授業などでは、少し待っても答えられなければ次に移る方がよいでしょう。後から、言いたかったことを紙に書いて提出してもらう方法もあります。
また、予期しない場面は不安や緊張が高まるものです。グループワークや発表がある場合は、事前に通知しておくとよいでしょう。それでも発表が難しそうなら、例えば原稿を読み上げる形にする、原稿の提出だけにするなど、安心して力が発揮できる環境を本人と一緒に考え、整えられるとよいと思います。

ポイント
①「不安や緊張を感じやすい」と理解する。
②「話さないのではなく、話せない」という理解で関わる。
③ 質問の仕方を工夫する。
④ 本人が安心して力を発揮できる環境を整える。

学生と連絡がとれずに困っています

Q. 欠席が続いている学生がメールにも電話にも反応しません。このような学生にどのように関わっていくとよいのでしょうか。

A. 学生がひとりで悩み続け、孤立していくことは、ぜひとも防ぎたいものです。まずは、学生の欠席直前の様子や授業への取り組みについて情報を集めるとよいでしょう。

「大学に行かなければ」「先生に連絡しなければ」と思いながらも、不安や困り感から動けない学生もいます。そのような場合、出席を促すだけのメールや電話では動き出せないかもしれません。まずは「あなたの話を聴きたい」「あなたのことを理解したい。力になりたい」というメッセージを伝えましょう。そのメッセージは、学生に「自分を心配しくれる人がいる」という安心感を与えることになります。学生が連絡に応じたら、緊張や不安の気持ちをいたわりながら面談日時などを決め、話を聴けるとよいでしょう。

学生の話す内容によっては、他教員や専門部署へ紹介することも有効です。しかし学生の中には、他者への紹介を「教員に見放された」と感じたり、ひとりで相談に行くことが難しかったりする場合もあります。「一緒に相談に行く、事前に相談先に事情を説明しておく等のサポートができる」ということを伝えましょう。そうすることが学生の安心感につながり、必要部署へ円滑につなぐことができます。

進級や卒業が差し迫っている時期に連絡がとれない場合は、早めに家族へ連絡して現状を確認することも必要です。ひとり暮らしで友人との連絡も途絶えている場合、一度直接様子を見に行くよう家族へお願いをし、早めに安否確認をしてもらいましょう。安全が確認された後、本人、家族とともに面談し、今後について話し合います。

ポイント
①学生の情報を集めて、学生の状態を想像する。
②出席を促すだけではなく、「学生の話を聞きたい」と伝える。
③必要に応じて、専門部署などへの相談をすすめる。
④場合によっては、早めに家族へ連絡をする。

指示が伝わらず、グループワークにも参加しない学生がいます

Q. 授業中に言葉だけで伝えても、指示が伝わっていない様子の学生がいます。いつも一人で、グループワークにも参加しません。このような学生にどのように関わっていけばよいですか。

A.  教員は「言わなくても分かるだろう」と思いがちですが、一見「やる気のない態度」や「努力不足」に見える学生の中には、暗黙のルールやマナーを理解できない学生もいます。具体的で分かりやすい言葉で伝えたり、文字や図表で示すなど明確にやるべきことを伝えると、学生全員が理解しやすくなります。

高校までとは違い、大学は広い教室が増え、100分授業となります。注意集中が困難な学生や理解するのに時間がかかる学生には、以下の対応が効果的です。
・ 座席を前の方に指定する。
・ 一度に全ての情報を提示せず、分割して順序だてて伝える。
・ 文字や図表で示すなど、視覚情報をうまく活用する。
・ 説明ばかりでなく、途中にワークを入れたり適度な休憩を入れたりする。

また、授業中に私語が多い、離席がある等の学生がいます。授業のオリエンテーションや授業内で、学生全体と「ルール」を共有することも大切です。

グループワークでは「極度に緊張して、自分から話し合いに入れない」「自分の考えをうまくアウトプットできない」という学生もいます。それをきっかけに欠席がちになる学生もいます。グループの様子を確認した上で、ときには「個人での取り組みを認める」等の対応が必要となる場合もあります。個人で取り組む際は、「自分の考え」「周りの発表を聞いた後の感想」をまとめさせるなど、指導の工夫も必要となるでしょう。

ポイント
①具体的に、言葉や文字で明確に伝える。
②座席の指定や適度な休憩時間を設ける。
③全学生にルールを明示し、「今取り組むべきこと」を明確にする。
④レポートでは、求める内容や構成を明確に説明する。
⑤グループワークで個人の取り組みを認めるなど工夫が必要な場合も。

学生に学生相談室を勧めたいとき、気を付けることはありますか

Q. 授業を休みがちだったり、孤立しているように見える学生がいます。声掛けすると、どうやら深刻な悩みを抱えているようです。学生相談室を勧めたいとき、どのようなことに気を付けるとよいでしょうか。

A. 学生は「この先生(職員)なら信頼できる」という気持ちがあって話してくれています。まずは真摯に話を聴くことが大切です。その際、社会的常識、助言、説得などは不要です。学生の気持ちを否定しないようにしましょう。
また、プライベートなことは深く聞き過ぎない方がベターです。教員の役割の一つは「評価すること」です。「評価する・される関係」と「心の問題に共同で取り組む関係」は両立が難しいものです。中立的な立場で学生と向き合うことのできる学生相談室へ早めにバトンタッチできるとよいと思います。

相談室を勧めるには工夫が必要です。一例として、以下のことが考えられます。
①学生から「見捨てられた」と誤解を受けない伝え方をする。
(「力になってくれる人を増やそう」「よかったら一緒に行こう」)
②学生相談室の情報を教える。
(「教員とは違う立場から話を聴いてくれるカウンセラーがいるよ」「あせって結論を出すよりも、カウンセラーに話して気持ちを整理してみてはどう?」)。

学生が相談室へ行きたがらない場合、「人に頼るのはダメなこと」「相談内容が外部に漏れるのではないか」などの誤解がある可能性もあります。その場合は、「相談の結果、決断するのはあなた自身。相談は、自立の助けとなる行動だよ」「あなたの了承なしにカウンセラーが情報を漏らすことはないよ」と伝えてみてください。それでも学生が「行きたくない」という場合は、無理強いをしないでください。教員との信頼関係を維持することが一番大切です。あるいは、一度学生相談室までご案内いただくだけでも結構です。

抑うつや無気力など、青年期はメンタルの不調をきたしやすい時期です。早期に専門機関につなぐことが大切です。学内機関である学生相談室であれば、その後の連携協働もしやすくなります。

ポイント
①まずは真摯に話をきく。
②ただし、心の奥まで深入りしない。
③「あなたが心配」という気持ちを伝えて、勧め方を工夫する。
④その後の連携協働がしやすくなる。

欠席の多い学生が気になります

Q. 学期が始まった当初は授業に出席していた学生が、ぽつぽつと欠席するようになり、ついに全く来なくなってしまいました。このような場合、どのように対応したらよいのでしょうか。

A. 欠席が目立ち始めたら、長期化する前に早めの対応をすることが肝心です。学生は3,4回欠席すると「もう単位取得は無理」と勝手に判断してしまいがちです。

まずは、他の授業への出席状況を確認してみてください。他の授業に出席できているなら、単にサボっている可能性もあります。しかし、他の授業も全て欠席している場合は、深刻な事態も予想されます。そのままズルズルと欠席が長期化し、進級できなかったり退学に追い込まれたりする事態になりかねません。他の教職員などから情報収集をし、ある程度状況を把握した上で、本人と直接連絡を取り、対応することが望まれます。

欠席の多い学生は、大学からのメールをシャットアウトしていることも少なくありません。携帯電話のSMS(ショートメッセージ)やSNSを利用することもおすすめです。SMSやSNSであれば「欠席が続いているので心配しています。連絡をください」などのメッセージを読んでもらえる可能性が高くなります。休んでいても、誰かから心配されると案外嬉しいものです。方法と文面を工夫してみましょう。

連絡が取れない場合の最終手段として、親に連絡する必要が出てくることもあるでしょう。その場合には、必ず事前に、何らかの形で学生本人に親に連絡する旨を伝えてから行ってください。

大学を欠席する理由は様々です。欠席が多い学生が相談に来たら、助言や指導は慎み、丁寧に話を聴いてください。どうしたら学生が大学へ来やすくなるのか、一緒に考える姿勢を示すことが大切です。そこで信頼関係が形成されることで問題解決に繋がる可能性もありますし、学生相談室や医療機関への誘導もスムーズになります。

ポイント
①早めの対応が肝心。
②他の授業の出席状況も確認し、他教員や友人から情報を集める。
③本人へ連絡を取る場合、メールで返信がなければSMSやSNSを利用する。
④本人に伝えてから親へ連絡する。
⑤丁寧に話を聴いて、どうしたら大学に来やすくなるのか一緒に考える。

他の先生のことで相談を受けました

Q. 「ある先生との関係がうまくいかない」「ゼミを替わりたい」等、他の先生について学生から相談を受けました。どのように対応したらよいのでしょうか。

A. ほかの教職員のことで相談を受けた場合、ご自分の中にいろいろな感情が生じるでしょう。同じ教職員の立場として慎重になるのも無理からぬことです。

まずは「よく相談に来てくれたね」と、学生へねぎらいの言葉をかけましょう。学生は「『私に言われても困る』と迷惑がられるのではないか」「門前払いされるのではないか」という不安の中、「この先生なら話を聞いてくれるかも」と意を決して相談に来ました。学生が信頼できる他者に相談する力をつけることは、社会生活を送る上でとても大切なことです。

次に、他の人にも同じ相談をしているか尋ねてみてください。そこでどのようなアドバイスを得たのかも確認するとよいでしょう。他の教職員にも相談しているようであれば、慎重な対応が求められます。なぜなら、過去の相談では解決しなかったためにあなたのところへ来た可能性があるからです。その学生は、納得がいくまであちこちの教職員に相談してまわる可能性があります。また、相談の経緯を尋ねることは、学生の考えや希望する方向性を知る手掛かりになります。

第三者が落ち着いて話を聞くことは、当該学生が問題を客観視したり事実関係を思い出したりすることに繋がります。客観的な視点から、時系列で事実を把握するように努めてください。学生自身にも事実を記録に残すように勧めるとよいでしょう。最近はスマホで画像や動画の証拠を残している学生も多いようです。

解決に向けての対応として大切なことは、一人で解決しようとせず、他の教職員らとチームで臨むことです。学生に「大切な問題だから他の先生にも相談したいと思うが、どうだろう?」「学科専攻で対応を検討したい」などと確認をして一旦持ち帰り、他の教職員と共有・相談して対応を検討しましょう。学生が他の教員に知られることを拒む場合、学生自身にも即決を求めず、「家族と相談してもらって構わない」と伝えたり、「少し考える時間を挟んで、後日また考えたことを教えてほしい」と次の約束を決めたりするのも有効です。

ポイント
①相談に来たことをねぎらう。
②他の誰かに相談してるかを尋ねる。
③事実関係の把握に努める。
④チームで解決する。

就職活動がうまくいきませんと言われました

Q. 学生から就職活動についての相談を受けました。力になってあげたいのですが、どのような声掛けをしたらよいのでしょうか。

A.  学生が困るポイントは、様々です。「モチベーションが湧かない」「社会に出たくない」など就職活動前の段階に困難を感じる学生もいれば、エントリーシートの作成や面接などスキル不足に悩む学生もいます。また、「内定ブルー」と呼ばれる、内定後の不安や迷いを抱える学生も年々増加しています。まずは、その学生がどのような場面で困難を感じているのか、丁寧に話を聞きましょう。

就職活動を通して、学生は否応なく「自分がどのような人間なのか」を問い直していきます。就職活動での失敗は、自分に対する信頼や自信の揺らぎに繋がります。そんな様子が見られた学生には、教職員から見たその学生の持ち味やよいところを伝えましょう。学生にとって自分を知る大人からの「あなたにはこういう良い部分があるね」「あのとき頑張っていたね」という声掛けは、新たな自己イメージを作っていく大きな助けとなります。

「働くイメージが湧かない」という声も、多く聞かれます。その背景には、「社会人は完璧でならなければならない」という思い込みが大きいようです。教職員自身がどのように進路を選んできたのか、成功談よりもむしろ苦労談や失敗談、そして仕事の面白みを感じた瞬間について伝えることは、学生が「働くイメージ」を広げるきっかけとなるかもしれません。

進路は、学生本人が決定することに大きな意味があります。学生の話をもどかしく感じる場面もあるかもしれませんが、迷うことは自然なことであり、かつ重要なことです。「アドバイスはあくまで参考意見である」ことを伝えながら、学生が迷い、考えるプロセスに寄り添いましょう。

就職活動についての情報不足やスキル不足が感じられたらキャリアサポートセンターを、また「眠れない」「食欲がない」などの症状やひどく落ち込んでいる様子がみられた際には学生相談室の利用をお勧めください。一緒に来室していただけると学生がより安心して各部署を利用できるようになると思います。

ポイント
①就職活動のどの段階でどのように困っているのか、じっくりと話を聞く。
②学生の持ち味や特徴を伝える。
③自分の苦労や失敗談などを伝えながら、学生が自己決定するプロセスに寄り添う。
④必要に応じて、キャリアサポートセンターや学生相談室を紹介する。

学生が課題を提出してくれません

Q. 毎回授業には出席して真面目に聞いているようですが、「授業についていけません」と言って課題を出さない学生がいます。どのように対応すればよいでしょうか。

A. 課題を出さない学生に対して、教員側は「サボっている」という見方をしがちですが、実は、「レポートを書くのに大変な時間がかかる」「資料を読んでも全く頭に入ってこず、レポートを書く状態に至らない」という学生が一定数います。「このままでは単位が取れない」と、学生自身が困っている場合も少なくありません。まずは、学生がなぜ課題を提出できないのかについて、決して責めることなく話を聞いてみましょう。

レポート課題をこなすためには、以下の①~⑦の能力が求められます。どこに問題があって課題をこなすことができないのかを見極めることが大切です。見極めには専門的な知識が必要となりますので、学生相談室への相談を勧め、相談室と連携しながら具体的な対応策を考えていくと良いでしょう。
① 課題で何が求められているのかを理解する。
② 必要な資料を収集する。
③ 資料を読解する。
④ 各内容の構想を立てる。
⑤ 文章を執筆する。
⑥ 背景知識をもっている。
⑦ レポート作成に必要な時間を見積もり、逆算してその時間を確保する。

「答えがはっきりしている問題演習は得意だけれど、抽象的な課題を出されると何を書いていいか分からなくなってしまう」という学生もいます。このような場合は、指示をできるだけ具体的にする、完成形をイメージしやすいように見本を提示する等のサポートが効果的です。学問領域によっては、実験レポートや卒論など、ある程度形式や書き方のルールが決まっている場合があります。その場合、ひな型の提供や指導は、書くことに困難さを感じる学生に限らず、効果的な支援といえるでしょう。

ポイント
①サボっていると決めつけないで話を聞く。
②何に問題があって課題をこなすことができないのかを明らかにする。
③書くことに問題がある場合は、見本や書き方のひな型を示す。

学生から「大学に行けません」と言われました

Q. 学生から突然、「大学に行けません」とメールがきました。こういうとき、どうすればよいのでしょうか。

A. 「大学に行けません」と相談されて、その学生を非難したくなる気持ちが湧く方もいるかもしれません。けれども学生の中には、大学に行けない自分自身を「情けない」「普通のことができない無価値な人間」と否定し、無気力スパイラルに陥っている学生もいます。まずは連絡をくれたことを認め、その言葉からは見えづらい背景にも目を向けていくことが大切です。そして、その理由に応じた対応をします。

学力への困り感・劣等感から「自分にはできない、続けられない」と無気力になり、通学が途絶える場合があります。このような学生の場合、「可能な範囲で勉強を教える」「EサポやTA学生等の学習支援先を紹介する」といった実際的なサポートが役立つかもしれません。担当外の講義であれば「教員への質問の仕方を教える」ことも役に立つでしょう。このような「やり方」を教えることは、学生の社会的スキルを磨くことにも繋がります。
友人関係のトラブルから、「同じ教室にいづらい」という理由で大学に来られなくなる学生もいます。このような場合は、席やグループの配慮など、参加できる方法を一緒に考えるとよいでしょう。しかし、具体的な解決策を提案しても、心理的な課題から大学に来られない場合もあります。その場合は、学生相談室と連携するとよいかもしれません。
パニック障害やうつ病などの精神的な問題がある場合、集団に入ることに強い不安を感じることも少なくありません。そのような訴えがあった場合は、席やグループのメンバー、任される役割の割り当てなど、学生と話し合いながら現実的な対応をします。必要に応じて学生相談室や特別支援室の利用を勧めるのもよいでしょう。

「大学に行けません」とのみ話し、事情を説明しない学生もいます。あるいは、「体調不良」とだけ話す学生もいるかもしれません。その場合、教員は「サボリかな」と考えることもあるでしょう。しかし実際には、先に挙げたような理由を、申し訳なさから言い出せない学生もいます。まずはきちんと連絡したことを認めつつ大学に来ることを勧め、「あなたが心配だ。状況とあわせて話を聞かせてほしい」と、直接話すことを重ねて提案してみてください。大学に来られないなら、オンラインや電話で話す方法もあると思います。学生相談室も、オンライン相談や電話相談も受け付けています。

ポイント
①打ち明けてくれたことを認め、理由を尋ねてみる。
②それぞれの理由に応じた対応をする。
③明確な理由を言わない場合でも、見捨てずに細く長く付き合う。

学生から「大学をやめたい」と言われました

Q. 欠席が続いている学生に連絡をしたら、突然「大学をやめたい」と言われました。どのように対応したらよいのでしょうか。

A.  やめたい理由が明確で、次の方向性が具体的に見えている場合は、「その方向へ進むために、本当に大学を辞める必要があるのか」を話し合った上で背中を押すこともあるかと思います。しかし、理由が不明瞭な場合は、すぐに承認や説得をしないことが大切です。やめたい気持ちを受けとめ、やめたいと思っている理由を尋ねてみてください。

悩みをうまく言葉で表現できないために「やめたい」と口にする学生も多くいます。その裏には、勉強が分からない、人間関係や環境が合わない、大学に通う意味が見いだせない、経済的に大変、留年しそう等、さまざまな理由があるものです。あるいは、これらがいくつか重なって「やめるしかない」「やめたら全て楽になるに違いない」という思いに至ることもあります。話をよく聞いて「やめたい」の背後を探ってみてください。そうすることで、他の選択肢や対処の仕方が見えてくることもあります。
退学のメリットとデメリットについて一緒に考えるのもよいでしょう。やめたい気持ちが強いときは、退学のメリットだけに目が行きがちです。

それでもやめたい気持ちが強いようでしたら、自分一人の考えなのか、誰かに相談したのか、やめた後どうしたいのか確認してみてください。それにより本人の意思や考えがどの程度なのかを知る目安となります。理由や意思があいまいな場合は、「やめたい」という言葉は「大学をやめたいと思うほどつらい状態にある」「どうしたらよいか分からない」という気持ちの置き換えなのかもしれません。その場合、早急に結論を出すのではなく、考える時間を持つこと、休学して考えることも一つの方法であることを伝えます。休学が選択肢として思いつかない学生も多くいます。
また、「やめたい気持ちと同時に、やめたくない気持ちもある?」「『やめたい』と『やめたくない』は、『いくつ』対『いくつ』ぐらい?」等と尋ねることも、学生が自分の気持ちを向き合うきっかけになります。どちらを選ぶにせよ、しっかりと葛藤をし、将来を考え、自分の納得のいく決定ができれば、その学生にとって大きな成長となるでしょう。

ポイント
①学生の話に耳を傾け、「やめたい」という言葉の背後にあるメッセージを探る。
②退学のメリットとデメリットについて一緒に考える。
③考える時間をもつことを提案する。
④「やめたい」以外の気持ちに焦点をあてる。

学生から「ハラスメントだ」と言われて戸惑っています

Q. 学生につい強い口調で指導をしました。どうやら、その学生が私の指導について「ハラスメントだ」と言っているようです。そんなつもりはありませんが、どう対応すればよいのでしょうか。

A.  学生のためを思った熱心な指導であっても、受ける側の学生が「ハラスメント」と感じる指導は、見直し、変えていく必要があります。例えば、怒鳴るような大声での指導や、「向いていない」などの人格を否定するような言葉に、学生が恐怖心や不快感を感じる場合があります。教員を避ける理由で授業に出席できない、不眠や食欲不振など生活に支障をきたしている場合は、指導方法は改めなければなりません。

まず、学生が自分の指導や関わりをどのように感じたのかについて耳を傾け、学生の気持ちを受け入れる必要があります。もしも双方の受けとり方にズレがあったと分かった場合は、相手が不快に感じない言動に修復していく作業が必要です。関係の修復が困難な場合や学生の希望がある場合は、“指導担当者を変更する”ことも必要かもしれません。このような過程は、当事者である学生と教員だけではなく相談を受けた教職員やその学科・専攻の長などが間に入り、透明性のある形で行われる必要があります。

「自分の感情を抑えられない」など、感情のコントロールが苦手な教員もいるかもしれません。また、ご自身が何らかの精神的ストレスを抱えている場合もあるでしょう。「ハラスメント」と指摘を受けた際には、自分自身の感情コントロール方法や現状について見直すことも重要です。また、日頃から周囲の教職員と相談しあえる関係性を築いておきましょう。
中には「昔の学生は厳しい指導をしても問題がなかった」と主張する教員もいます。しかし、教育方法は時代の流れとともに、今の学生に適した形へ更新されていく必要があります。

学生と意見交換のしやすい風通しのいい雰囲気や関係作りを心掛け、日頃からハラスメント防止に努めましょう。また、「どう指導したらいいか分からない」など指導方法への困り感から「ハラスメント的指導」になることがあります。教職員間で話し合う、必要に応じて学生相談室へ相談するなどして、学生への適切な指導方法を考えるのも良いでしょう。ハラスメントを許容しない大学内の雰囲気作りが大切です。

なお、学生からハラスメントの相談を受けた場合、要望によっては学内のハラスメント窓口を紹介し、学生の訴えにあった対応をしましょう。

ポイント
①学生の言い分や気持ちを、反論せずに、よく聞く。
②自分の感情パターンや問題、指導方法を見直す。
③日頃から、ハラスメント防止を心がける。
④学内のハラスメント相談窓口を利用する。

②学生相談室の情報を教える

回答例

    • 「教員とは違う立場から、ゆっくりと話を聴いてくれるカウンセラーがいるよ」

    • 「あせって結論を出すよりも、カウンセラーに話して気持ちを整理してみてはどう?」

ひとりぼっちでいる学生が気になります

Q. いつも一人でいる学生がいます。周囲に馴染めないのか気になります。このままにしてよいのでしょうか。何か働きかけた方がよいのでしょうか。

A. 学生が一人でいる理由は様々でしょう。「一人でいるのが好き」という学生もいます。一方で、「本当は他の人と関わりたいけれど、関わることができない」という学生もいます。引っ込み思案で声を掛けられない、既にグループができあがっていて入れない、編入や休学による学年差から馴染めないなど、状況は様々です。学内に友人がいないことは、学生生活の満足度を大きく左右する要因ともなっています。

今の大学生が友達と知り合うきっかけは、「1年生の授業」が最も多く、入学してすぐに知り合って築いた友人関係が、3年生、4年生まで継続することが多いようです。1年生の授業で自己紹介のプログラムを取り入れる先生もあるでしょう。しかし、昨今はSNSにより入学前から知り合う学生が増え、取り残されてしまう学生もいます。授業内で2~3人程度のグループでの課題や話し合いの機会を作り、知り合うきっかけを提供しましょう。その際、「今、興味を持っていること」など、初対面でも話しやすいテーマ設定をするとよいでしょう。グループ活動はメンバーを替えて繰り返すことで、新しい友人関係を築くきっかけにもなると思います。教員は様子を見て声掛けやコメントをするのもよいでしょう。

また、授業外でも、図書館や学食、フリースペースなどで一人で過ごしている学生を見かけたら、教職員は学生を見守りながら挨拶など声をかけてみてください。

様々な工夫や配慮をしても、一人で過ごす学生はいます。一人でいることは恥ずかしいことではなく、「一人でいられる力」というのもあります。学外では別の顔を持っているかもしれません。「一人でいても大丈夫」「今のままで大丈夫」という視点をこちら側が持つことも大切です。そのような視点は、一人で過ごす学生にとって安心感に繋がるでしょう。温かい声掛けをして学生を見守ってください。

ポイント
①学生同士が知り合うきっかけとなる「場」を提供する。
②授業内で取り組む課題にグループワークを取り入れる。
③様々な場面で学生を気にかけ見守りながら、挨拶など声をかけてみる。
④「一人でいても大丈夫」という温かい視点で、学生を見守る。

理解できていないのに質問をしてこない学生がいます

Q. わかりやすく丁寧に指導した後、学生に「質問はありますか?」と確認をすると「大丈夫です」と答えます。にも関わらず、教員側の意図が伝わっておらず愕然とすることがあります。なぜ理解できていないのに質問をしてこないのでしょう。教員側はどのように対応すればいいのでしょうか。

A. 本当に伝わったかどうかは、相手に確認しなければ分からないものですね。伝えたいことを話し終えたら、理解できたか否かを細かく確認したいところです。学生の理解が不十分な部分を特定できると、その場で伝え方を修正することもできるでしょう。

「何か質問はありますか?」「分からないところはありますか?」と尋ねるよりも、「ここまでのところで、確認しておきたいところはありますか?」「もう一度説明してほしいと思うところはありますか?」という聞き方のほうが、学生の負担感が少なくなるようです。

質問がないときに考えられる理由と対応をまとめたものがあります(大谷, 2020)。参考にしてみてください。

 

「質問が出ない」場合の考えられる理由 試してみたい対応
可能性1: 話の内容が十分に理解できた。 対応は必要ありません。
可能性2: 「理解できた」と思い込んでいる。 重要ポイントを一緒に整理し、本当に理解できたか否かを確認します。
可能性3: 頭の中が整理されていない。 あとから質問が出てくるかもしれません。「いつでも質問を受け付ける」ことをアナウンスします。
可能性4: 質問はあるが、質問しにくい雰囲気がある 確認の仕方を変えてみましょう。
可能性5: 質問はあるが、授業時間が終了間近。急いで帰らなくてはならない。 改めて、質問できる機会を提供します。別の日時を約束する、あるいは別の手段(メールなどによる質問)を提案します。
可能性6: 周囲に人がいると、質問しにくい。 個別の質問を受け付けることを提案します。
入学させたら卒業までが大学の義務?

Q. 学生の家族へ成績不良、単位習得の難しさについて話をしたところ、「入学させたのだから、卒業させるのが大学の義務だ」「救済措置はないのか」と強く迫られました。どう対応すればよいのでしょうか。

A.  年々、履修の遅れや出席不良、成績不振に悩むケースが増えています。まれに保護者から「入学させたのだから卒業まで責任をもってほしい」「救済措置はないのか」という強い訴えを受けることもあります。
私たちは大学を「教育機関」として理解していますが、保護者の一部には「大学=サービス提供機関」との誤解が根強くあります。「入学=卒業の保証」ではなく、「入学=学ぶ機会の提供」であり、「卒業はあくまで一定の学修成果を修めたことへの証明」であることを対外的にも内部的にも再確認する必要があります。

大学には、学生が学びやすい環境を整える責任はありますが、「本人が努力しなくても卒業できるようにする責任」はありません。その線引きを明確にしておかないと、支援が「免責の手段」と誤解され、教職員が疲弊する結果を招きかねません。

なお、合理的配慮の対象ではなくとも、困難を感じている学生に「支援的関わり」を行うことは可能です。例えば、生活リズムの整え方のアドバイス、履修相談の強化、提出期限のリマインド、学生相談室による定期的な見守りなど、教育的意義のある支援はいろいろ考えられます。
しかし、「出席しなくても単位がもらえる」「成績が悪くても卒業できる」といった「制度の根幹を曲げる要求」は、支援ではなく「特別扱い」に近くなります。そのような対応が一部の学生だけに行われれば、教育の公平性が損なわれ、かえって全体の信頼を失うリスクがあります。

学生を「守る」ことと「育てる」ことは時に背反するように見えますが、どちらも「学生の自律した社会的成長」という同じ目的に向かっています。私たち教職員もまた、可能な範囲でケース検討会などを実施し、孤立せず、連携しながら対応していきたいものです。

ポイント
①保護者への対応は「誠実に丁寧に、しかし揺るがず」。
②「大学としてできる支援を模索する一方、本人の努力が不可欠である」ことを丁寧に、繰り返し伝える。
③必要に応じて、学生相談室などの支援先を紹介する。

複数の学生や教員について不満を並べる学生がいます

Q. 学生が、複数の学生や教員について「私に意地悪な言動をする」など不平不満を訴えてきました。あまりに人数が多く、どこまでが本当なのか、訴えてきた学生に不信感を感じてもいます。どのように対応すればよいでしょうか。

A. 「こんな言葉で傷ついた」「意地悪をされている」など、学生が、複数の学生や教員について不平不満を訴えてくることがあります。登場する人数が多いほど内容の整理が難しくなり、話の真偽も分からず、聞く側が戸惑いや不信感を抱くのはとても自然なことです。

こうした訴えの背景には、しばしば「自分だけが浮いている気がする」「誰にも理解されない」というつらさや「自分が悪者にされているのではないか」という深い不安が隠れています。学生は、事実の整理を求めているわけではなく、「ようやく気持ちを吐き出せた」という安心感を求めているのかもしれません。最初は内容の真偽に踏み込みすぎず、「それだけしんどい思いをしているんだね」と感情そのものを受けとめる姿勢をとるといいでしょう。

ただし、話題が次々と広がり学生自身も混乱している場合には、テーマを一緒に絞ることも有効です。「今話してくれた中で、どの出来事が一番つらい?」「まずは一つだけ整理してみようか」といった声がけは、学生が気持ちを落ち着ける助けになります。

また、相手への批判が続くときは、視点を「他者の問題」から「自分の困りごと」へ優しく戻していくことが大切です。「その出来事があって、今あなたはどんな状態?」「あなたが安心して授業に出られるために、どんなサポートがあるといい?」と問いかけると、学生自身の心の状態や求めているケアに意識を向けやすくなります。

学生の訴えをそのまま否定せず聴くだけで、無理に事実の整合性を取ろうとしなくても大丈夫です。必要に応じて学生相談室にもお声がけください。学生が安心して大学生活を送ることができるように、教職員のみなさまと一緒に考えていきたいと思います。

ポイント
①不平不満を並べられると、聞く側が混乱したり不信感を感じるのは自然なこと。
②内容の真偽ではなく、学生のしんどい感情を受けとめる。
③次々に話題が変わるときは、「今、一番しんどいこと」を尋ねてみる。
④「あなたは今、どんな状態?」「どんなサポートがあるといい?」と、自分の心身に目を向けさせる。