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大学概要

学長メッセージ

今こそ皆さんの真価が問われている

 新型コロナウイルス感染症が猛威を振るっています。RNAがたった一本しかない寄生性の最も小さな生命体が、ひそかに世界中に蔓延し、隙があれば私たちに襲い掛かろうとしています。私達の大学も、甚大な影響を受けています。卒業式や入学式の式典が中止となりました。多くの新入生の皆さんは、まだ教職員と直接顔を合わせていません。何より授業そのものが構内では行えず、オンラインによる遠隔授業となっています。朝から夕方までオンラインで授業を受けるのはさぞ大変でしょう。しかし、教員も、遠隔授業のために通常の2倍から3倍の時間をかけて講義の準備をしています。尋常な授業形態ではありませんが、何とか学びの質を落とさず、学修を継続していただきたいと思います。

 私達の大学の建学の精神は、「輝ける者を育む」です。『「輝ける者」とは、自立した力を持ち、他者とかかわり合いながら未経験の問題に応える人』です。新型コロナウイルス感染症に対する対応は、まさに私たちにとって未経験の大問題です。テレビや新聞には様々な情報が溢れています。そこから事実に基づいた正しい情報を選択しながら理解を深めていかなければなりません。ニューヨーク州のCuomo知事は、毎日記者会見を行い、データに基づきながら感染状況の推移を説明していました。会見の模様は毎日世界中に中継されていました。アメリカ国立アレルギー・感染症研究所所長のFauci氏は、大統領の記者会見の時には必ず同席し、意見を求められた時には、大統領と異なる見解でもきちんと述べています。米国では一貫して一人の人が対応するシステムが出来上がっているようです。私の周辺からは、外国の英文誌を読んで、新型コロナウイルス感染症に関する知識がよく整理され理解できるようになったという声が聞かれます。

 未経験の問題に直面しているからこそ、不必要な不安を覚え、あるいは噂を妄信するのではなく、何が正しい情報で、事実はどこにあり、何を信じるのかと言った自分自身の判断基準を身に付けていくことが大事なのではないでしょうか。あるいは疑問を持ったことを納得行くまで調べてみることも大事だと思います。もちろんこれらは、いつの時でもどのような問題であっても必要な姿勢です。今後、皆さんが生きていく社会の仕組みが変わるかもしれません。皆さんは、良識ある市民の一人として、さらに完成された共生社会の創造に係っていただきたいと願っています。「未経験の問題に応える」輝ける者として、今こそが自立した学びの時なのです。

 後期は感染症対策をしっかり講じながら、状況が許す限り、可及的に対面授業を実施したいと考えています。サークル活動も徐々に再開できたらうれしいです。いずれにせよ、私たちは今極めて不自由な大学生活を送っていますが、それはまた皆さんの人生の中で得難い経験に結びつく可能性を秘めています。しっかりと「今」を学ぶのもまた、大変貴重な学修なのではないでしょうか。
学長写真
東北文化学園大学
学長 土屋 滋
2011年4月、東北文化学園大学 学長に就任。東北大学医学部卒業後、東北大学加齢医学研究所ならびに東北大学大学院医学系研究科で臨床・研究に従事する。小児のがん・血液・免疫疾患が専門。小児科研修制度や地域医療の充実に力を注ぎ、また、骨髄バンクや臍帯血バンク事業を積極的に推進している。