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大学概要
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学長メッセージ

学長  加賀谷 豊
コロナ禍を乗り越えるために

 新型コロナウイルス感染症がなかなか終息する気配が見えない中で、皆さんはとても不自由な学生生活を強いられていると思います。一生に一度の貴重な大学生活なのに、友人やサークル活動の仲間との自由な交流も制限されています。当初はこの新しいウイルスの性質がよく分からなかったため、社会全体の恐怖心が大いに煽られました。しかし、多くのデータの積み重ねと世界中の科学者による詳細な解析により、このウイルスがどんな環境で人から人へ感染しやすいのか、また、どのような感染防止対策が有効なのかが分かってきました。従って、私たちはこの新しい感染症を正しく恐れることができるようになってきたと言えると思います。

 明るいニュースとして、複数の製薬メーカーが新型コロナウイルス感染症に対するワクチンの開発に成功し、世界中の国々で人々への接種が始まりました。日本でも2月下旬から医療従事者への優先接種が開始されました。引き続き、高齢者、基礎疾患を持つ人という順番で接種が進んでいくものと期待しています。ただし、ワクチンだけでこの新しい感染症を急速に終息させることは難しいと思われます。ひとりひとりが、いわゆる3密を避けると共に、マスクの装着、石鹸による手洗いやアルコールによる手指消毒、マスクなしの対面での会話を避ける、体調が悪いときは迷わず休むなど地味ではあるものの感染拡大の防止に有効なこれらの対策を確実に実践していくことが大事です。

 2003年に中国から拡がったSARS(severe acute respiratory syndrome:重症急性呼吸器症候群)もコロナウイルスが原因でしたが、感染者の多くに重症肺炎を引き起こしたため、感染者の早期発見と隔離が可能となり終息に向かいました。一方、今回の新型コロナウイルス感染症では若い方を中心に感染者の多くが無症状から軽症に留まり、そのため感染者を早期に見つけて隔離することが困難です。このために感染が広範囲に拡大し、高齢者を中心に多くの死者を出しています。このように、新型コロナウイルスはとても賢いウイルスです。従って、私たちひとりひとりが、より賢く行動することが求められます。それによってのみこの新しい感染症を克服できると信じています。

 新型コロナウイルス感染症は、様々な社会問題も引き起こしています。例えば、医療従事者や感染者への差別や偏見に関して報道されています。医療従事者は、日々、自身や家族への感染リスクを抱えながらもプロフェッショナルとしての誇りを持って仕事をしています。また、一般の方もどんなに気をつけて生活しても、感染リスクをゼロにすることは困難です。中には後遺症に苦しんでいらっしゃる方もいます。この感染症を社会全体で乗り越えるため、私たちひとりひとりに何ができるかを今一度、真剣に考えてみる必要がありそうです。その先には皆さんが「輝ける者」として羽ばたいていく輝かしい未来がきっとあるはずです。


東北文化学園大学
学長  加賀谷 豊


2021年4月、東北文化学園大学 学長に就任。東北大学医学部卒業後、東北大学第一内科、循環器内科に所属。米国ハーバード大学医学部留学を経て、東北大学クリニカル・スキルスラボセンター長、東北大学大学院医学系研究科 医学教育推進センター教授を歴任。出身は秋田県秋田市。