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大学概要
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2024年度
東北文化学園大学・東北文化学園大学大学院入学式
学長訓示
 皆さん、ご入学おめでとうございます。皆さんを仙台の街並みを見下ろす国見の丘に建つ東北文化学園大学にお迎えすることができ、教職員一同、とてもうれしく思っています。これまで皆さんを支え続けてくださったご家族や関係者の皆様にも、心からお祝いを申し上げます。また、ご多忙の中、ご出席を賜りました来賓の皆様に深く感謝申し上げます。

 私が本学学長に就任した2021年には、コロナ禍のため入学式は行われず、2022年と2023年は、新入生の皆さんと我々教職員だけの入学式でした。このようにご家族や関係者の皆様をお迎えして行う入学式は、学長就任以来初めてであり、とても感慨深いものがあります。
 昨年5月に、新型コロナウイルス感染症の法律上の位置付けが変わり、秋には4年ぶりとなる本格的な学園祭が、2日間にわたってこのキャンパスで開催されました。海外研修も再開され、この2月には11名の学生がオーストラリアのケアンズを訪れ、ホームステイをしながら積極的に活動してきたことを、先日、学長室で報告してくれました。課外活動の制限もなくなっていますので、適切に感染対策を行いながら、存分に汗を流してほしいと思います。

 以前から入学式で皆さんにお願いしていることがあります。本学の建学の精神は「輝ける者を育む」です。「輝ける者」とは、自立した力を持ち、他者とかかわり合いながら、未経験の問題に応える人です。今から、30秒間、眼をつぶって自分が卒業式後の4月にどんな「輝ける者」になっているか想像してみて下さい。例えば、こんな職場で、こんな自分になっていたいという理想を高く掲げてみてください。

 今から30秒です。



 30秒が経ちました。

 今、掲げた理想に向かって、皆さんが歩んでいくのを我々教職員がしっかりとサポートします。もし何かで躓きかけたら、一人で悩まず、是非、早めに我々教職員に相談してください。きっと一緒に乗り越えられるはずです。

 さて、学校法人としての東北文化学園大学は2028年に創立50周年を迎えます。50周年ビジョンとして、「一人ひとりが高い成長力を実感できる教育力No.1の学園となる」ことを目指し、大学は今、さまざまな教育改革を実行しているところです。
 少し前になりますが、世界で最も権威のある学術誌の一つであるサイエンスに、大学の授業に関するとても興味深い研究論文が掲載されました。この論文の責任著者はカール・ワイマン博士という2001年にノーベル物理学賞を受賞した著名な科学者です。教育に関するこの研究は、カナダのブリティッシュ・コロンビア大学工学部の1年生、それぞれ267人と271人が出席する2つの初年次向け物理学のクラスで行われました。一つのクラスでは、学生による授業評価が良く、長年この科目を担当してきた教育経験豊かな教員が、講義中心の授業を行いました。もう一つのクラスを担当したのは、授業に関する一定のトレーニングを受けた大学院を卒業して間もない、いわゆるポスドクと呼ばれる、まだ教員として採用されていない若手でした。こちらのクラスでは、学生は予習を課され、授業中は少人数グループで問題に取り組んだ後に、きめ細かなフィードバックを受けました。
 その後、2つのクラスに同じ物理学のテストを行ったところ、教育経験豊かな教員による一方向性の講義中心の授業を受けたクラスの正解率が平均41%だったのに対して、まだ教員として採用されていない若手、つまりポスドクが担当する、予習が課され、学生参加型で双方向性の授業を受けたクラスの正解率は平均74%でした。正解率が実に1.8倍も高かったことになります。

 全ての授業を少人数グループで課題に取り組む形式にすることは、そう簡単ではありませんが、本学では、例えば1年生では、学部・学科や専攻が異なる学生と一緒に少人数グループで課題に取り組む科目を用意しています。是非、背景の異なる仲間との討論により切磋琢磨してください。それによって、広い視野と多様な価値観を身につけることを期待しています。
 ここで、先ほど皆さんが考えた卒業直後にどんな「輝ける者」になっているかを思い出してください。自分が理想とする職業を選んで、社会人として歩み始めている姿を思い浮かべた方も多いと思います。その夢を実現するためには、授業に積極的な態度で臨むこと、そして何よりも試験のための一夜漬けではなく、継続的な学修習慣を身につけることが極めて重要であることを強調したいと思います。また、グループで予習や復習をすることは、とても有効な学修方法です。なぜならば、他の人に教えることは、教える本人にとって、極めて教育効果が高いとされているからです。

 結びに、私たち東北文化学園大学の教職員は、皆さんが卒業の時、一人ひとりが輝いていることを心から願っていること、その実現のために私たちが常に皆さんのそばにいるのを忘れないで欲しいことをお伝えして、入学のお祝いの言葉とします。本日は、誠におめでとうございます。

2024年4月4日
東北文化学園大学
学長 加賀谷 豊