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大学概要
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2021年度 東北文化学園大学・大学院 学長訓示

訓示
 皆さん、本日はご入学誠におめでとうございます。仙台の市街地を見下ろす国見の丘に建つ私たちの大学に、皆さんを迎えることができたことを私共教職員一同、大変うれしく思っています。また、保護者の皆様にも心からお祝いを申し上げます。

 私自身は、この3月まで35年間、東北大学の医学部に勤務していました。そして、この4月から皆さんと一緒に東北文化学園大学の一員になりました。皆さんのこれからの学園生活が充実したものとなるよう、全力で応援していきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

 皆さんが入学された2021年度から、私たちの大学の学部は現代社会学部と経営法学部からなる社会科学系、工学部すなわち工学系、医療福祉学部からなる医療系の3つの柱に再編され、未来の新しい地域社会を創造する総合大学に生まれ変わりました。しかし、これは入学から卒業まで皆さんが3つの領域で別々に学修を積み重ねていくということでは決してありません。特に2020年度からは全学共通教育の充実が図られ、学部や学科の垣根を超えてみなさんが一緒に切磋琢磨する環境が整えられました。総合大学だからこそ体験できるこの学修環境を、満喫し、そして活用して下さい。

 さて、皆さんはどんな夢を抱いて入学されたでしょうか。4年間できちんと憧れていた資格を取りたい、社会人として自立するための基礎となる知識、技能そして態度を身につけたい、あるいは一生の宝となる大切な友人を見つけたい等、様々な希望を持って入学されてきたと思います。東北文化学園大学は1999年に設立され、一昨年に20周年を迎えました。そして、それを機会に大学の建学の精神と理念をわかりやすい言葉で表しました。それが「輝ける者を育む」です。ここで言う「輝ける者」とは、自立した力を持ち、他者とかかわり合いながら、未経験の問題に応える人です。自立した力を備えること、他者とのかかわり合いを持つこと、そして未経験の問題に応えるということのそれぞれがどんな意味を持つのか、是非、自分で考えてみて下さい。そして、卒業時に自分がどんな「輝ける者」になっているかを想像してみて下さい。

 突然ですが、今から、30秒ほど時間を差しあげますので、自分が卒業時にどんな「輝ける者」になっているか想像してみて下さい。眼をつぶって頂いても結構です。

 30秒という時間は長かったでしょうか。あるいは、あっという間だったでしょうか。4年後に卒業を迎えるとすると、今の30秒間の約420万倍の時間で卒業の時期になります。はるか遠い先と考えるか、あっという間かもしれないと思うか、人それぞれだと思います。ぜひ卒業時にこんな自分になっていたいという理想を高く掲げて、それに向かって進んで下さい。我々教職員はしっかりそれをサポートします。

 今、世界中が新型コロナウイルス感染症のために苦しんでいます。当初、この新しいウイルスのことがよく分からなかったため、人々の恐怖心が大いに煽られました。しかし、世界中の研究者によるデータの積み重ねと解析により、このウイルスがどんな環境で人から人へ感染しやすいのか、また、どんな感染防止対策が有効なのかが分かってきました。今、私たちはこの新しい感染症を正しく恐れることができるようになってきたと言えます。

 明るいニュースとして、世界中の国々で、この感染症に対するワクチンの接種が始まりました。ただし、ワクチンだけでこの新しい感染症を急速に終息させることはできません。ひとりひとりが、いわゆる3密を避けると共に、マスクの装着、石鹸による手洗いやアルコールによる手指消毒、マスクなしの対面での会話を避ける、体調が悪いときは迷わず休むなど、感染拡大の防止に有効なこれらの対策を確実に実行していくことが大事です。

 2003年に中国から拡がったSARSもコロナウイルスが原因でしたが、感染者の多くに重症肺炎を引き起こしたため、感染者の早期発見と隔離が可能となり終息しました。一方、今回の新型コロナウイルス感染症では若い方を中心に感染者の多くが無症状から軽症に留まり、そのため感染者を早期に見つけて隔離することが困難です。このため感染が広範囲に拡大し、高齢者を中心に多くの方が亡くなっています。このように、新型コロナウイルスは、自分たちが生き残る術を身につけていて、とても賢いウイルスです。従って、私たちひとりひとりが、より賢く行動することが求められます。そうしなければ、この新しい感染症は克服できません。

 2020年の世界は、まさに新型コロナウイルス感染症に翻弄されました。その中で、世界から注目を集めたのが、11月のアメリカ大統領選挙でした。最終的に民主党のジョー・バイデン氏が現職大統領だった共和党のドナルド・トランプ氏を破って、勝利を収めました。今年の1月に開かれた大統領就任式には、バイデン氏と共に黒人とアジア系の血を引く初の女性副大統領が出席しました。カマラ・ハリス氏です。この就任式では、1人の若い黒人女性が世界の注目を集めました。アマンダ・ゴーマンさんという22歳の若い詩人で、就任式のために自身が書き下ろした「The Hill We Climb私たちが登る丘」と題する詩を朗読しました。ゴーマンさんは、朗読の最後を「私たちがそれを見る勇気さえあれば、そして、私たちがそれになろうとする勇気さえあれば、そこには常に光があるのだから。」という言葉で締めくくりました。皆さんが輝けるものになるためには、光が必要です。ゴーマンさんの言葉を借りれば、皆さんがその光を見る勇気さえあれば、そして、皆さんがその光になろうとする勇気さえあれば、皆さんの夢はきっと成し遂げられるはずです。卒業の時、皆さんのひとりひとりが光り輝いていることを心から願って、入学式のお祝いの言葉とさせていただきます。

2021年4月5日
東北文化学園大学
学長 加賀谷 豊