がんの治療は進歩し、多くの方々が社会で生活され、がんと共にどのように生きていくか、という視点からの支援が求められています。
小児がんにおいても、例外ではなく、多くの方々が退院し社会で生活されています。しかし、退院後も病気のフォローアップを必要としたり、倦怠感や体力・食欲の低下など身体面への影響が続くこともあります。
また、退院後の身体面への影響については、学校生活や就業において、誤解を招いたり過剰に反応されたり、理解されにくいこともあります。
そのため、小児がん経験者の方々は学校など社会生活を送りながら、外来受診など健康管理を継続し、必要時、病気について説明するなど、セルフケアが必要となります。
支援として、がん対策推進基本計画に基づいた実践や看護においても復学支援や移行期医療支援など取り組みがされていますが、退院後の生活支援ついては、十分とは言い難い状況です。
そこで、今回、
①小児期にがんを発症した方々が、青年期に至るまでライフイベントを経験しながら、どのように病気体験やセルフケアを積み重ねているのかを明らかにし、
②社会生活におけるセルフケアを支援するための看護の開発を目的に研究を計画しました。
現在、小児がん経験者の方々へのインタビューから得られたデータを基に、課題や必要な支援を焦点化し、実践可能な看護支援モデルの考案に向けて準備をしています。