A. 学生が困るポイントは、様々です。「モチベーションが湧かない」「社会に出たくない」など就職活動前の段階に困難を感じる学生もいれば、エントリーシートの作成や面接などスキル不足に悩む学生もいます。また、「内定ブルー」と呼ばれる、内定後の不安や迷いを抱える学生も年々増加しています。まずは、その学生がどのような場面で困難を感じているのか、丁寧に話を聞きましょう。
就職活動を通して、学生は否応なく「自分がどのような人間なのか」を問い直していきます。就職活動での失敗は、自分に対する信頼や自信の揺らぎに繋がります。そんな様子が見られた学生には、教職員から見たその学生の持ち味やよいところを伝えましょう。学生にとって自分を知る大人からの「あなたにはこういう良い部分があるね」「あのとき頑張っていたね」という声掛けは、新たな自己イメージを作っていく大きな助けとなります。
「働くイメージが湧かない」という声も、多く聞かれます。その背景には、「社会人は完璧でならなければならない」という思い込みが大きいようです。教職員自身がどのように進路を選んできたのか、成功談よりもむしろ苦労談や失敗談、そして仕事の面白みを感じた瞬間について伝えることは、学生が「働くイメージ」を広げるきっかけとなるかもしれません。
進路は、学生本人が決定することに大きな意味があります。学生の話をもどかしく感じる場面もあるかもしれませんが、迷うことは自然なことであり、かつ重要なことです。「アドバイスはあくまで参考意見である」ことを伝えながら、学生が迷い、考えるプロセスに寄り添いましょう。
就職活動についての情報不足やスキル不足が感じられたらキャリアサポートセンターを、また「眠れない」「食欲がない」などの症状やひどく落ち込んでいる様子がみられた際には学生相談室の利用をお勧めください。一緒に来室していただけると学生がより安心して各部署を利用できるようになると思います。