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vol.9 学生が課題を提出してくれません

Q. 毎回授業には出席して真面目に聞いているようですが、「授業についていけません」と言って課題を出さない学生がいます。どのように対応すればよいでしょうか。
A. 課題を出さない学生に対して、教員側は「サボっている」という見方をしがちですが、実は、「レポートを書くのに大変な時間がかかる」「資料を読んでも全く頭に入ってこず、レポートを書く状態に至らない」という学生が一定数います。「このままでは単位が取れない」と、学生自身が困っている場合も少なくありません。まずは、学生がなぜ課題を提出できないのかについて、決して責めることなく話を聞いてみましょう。

レポート課題をこなすためには、以下の①~⑦の能力が求められます。どこに問題があって課題をこなすことができないのかを見極めることが大切です。見極めには専門的な知識が必要となりますので、学生相談室への相談を勧め、相談室と連携しながら具体的な対応策を考えていくと良いでしょう。
① 課題で何が求められているのかを理解する。
② 必要な資料を収集する。
③ 資料を読解する。
④ 各内容の構想を立てる。
⑤ 文章を執筆する。
⑥ 背景知識をもっている。
⑦ レポート作成に必要な時間を見積もり、逆算してその時間を確保する。

「答えがはっきりしている問題演習は得意だけれど、抽象的な課題を出されると何を書いていいか分からなくなってしまう」という学生もいます。このような場合は、指示をできるだけ具体的にする、完成形をイメージしやすいように見本を提示する等のサポートが効果的です。学問領域によっては、実験レポートや卒論など、ある程度形式や書き方のルールが決まっている場合があります。その場合、ひな型の提供や指導は、書くことに困難さを感じる学生に限らず、効果的な支援といえるでしょう。

ポイント

①サボっていると決めつけないで話を聞く。
②何に問題があって課題をこなすことができないのかを明らかにする。
③書くことに問題がある場合は、見本や書き方のひな型を示す。