本学地域連携センターでは、東日本大震災による災禍の大きさを再認識し、沿岸被災各地の復興過程で生じている様々な課題と施策について理解を深めるため、学外研修を行っています。
本研修に参加した学生一人ひとりが、地域社会の実相を見聞きすることで、課題意識を培い、日々の学修に活かしています。
①名取市視察・日 時 2014年9月27日(土)
・訪問先 名取市閖上地区、愛島東部団地仮設住宅
○閖上地区
・講師/㈱佐々直 常務取締役 佐々木悠輔 様
名取市閖上地区の老舗笹かまぼこ製造メーカーである㈱佐々直の佐々木様から、閖上地区の被災と復興状況について、ご説明をいただきました。
8メートルを超す津波が襲った㈱佐々直旧本店工場は、今年9月に名取市の震災遺構として保存が決定しています
ゆりあげ港朝市内にあるメイプル館において、「震災後の伝統継承と地域コミュニティーとの新しい文化創造の挑戦」と題して講話いただきました
愛島東部団地仮設住宅 閖上地区住民の方々が避難生活を送る愛島東部団地仮設住宅を訪問し、ボランティア活動を行いました。秋田県由利本荘市の障害者小規模作業所あゆみと連携し、当地で収穫した男爵薯と撫子の植木鉢を、施設利用者及び職員の方々とともに住民のみなさまへお届けいたしました。この活動は、2011年冬から継続的に行っています。
活動終了後には、同団地自治会長の遠藤一雄様から、震災当日の被災体験及び長期化する仮設暮らしを強いられている被災者の方々の現状について、参加学生へご説明をいただきました。
②気仙沼市、南三陸町視察 ・日 時 2014年10月22日(水)
・訪問先 気仙沼市(内湾地区、鹿折地区、南気仙沼地区)、南三陸町
○気仙沼市 ・講師/紫市場復興商店街事務局長 坂本正人 様
同市到着後、バスで市内各地を移動しつつ、商業、住宅整備のため盛土造成工事が進む鹿折地区、南気仙沼地区を視察。
その後、紫市場復興商店街の坂本様から、震災から今に至る同商店街の歩みと同市内湾地区の現状、仮設から本設へと移行する将来構想等についてお話下さり、各商店主の方々が紆余曲折を経ながらも気仙沼の復興に向けて力強く歩まれている現状についてご説明いただきました。
○南三陸町 ・講師/南三陸町社会福祉協議会 高橋吏佳 様
南三陸町社会福祉協議会を訪問し、同協議会の高橋様から、震災当日の避難行動から避難所生活を経て今に至る歩みを、被災者の一人としての視点で講話下さいました。
③東松島市 ・日 時 2014年11月1日(土)
・訪問先 東松島市(小野地区、野蒜地区)
○小野地区・講師/小野駅前応急仮設住宅自治会長 武田文子 様
小野駅前応急仮設住宅を訪問し、自治会長の武田様から、小野地区の仮設生活の現状と同団地から生まれたキャラクター「おのくん」の誕生秘話について説明いただきました。
転居により空いた一室を見学させていただきました
野蒜地区
・講師/野蒜・宮戸地区復旧復興を考える会 坂本雅信 様
JR仙石線の内陸移転を軸に新たな集団移転が進む東松島市野蒜地区。
今は交流センターとなっている旧野蒜駅を訪問し、住民の手によるまちづくりを推し進める活動を行っている坂本様から、行政主導の復興事業、長期化する仮設住宅での生活、高齢者ばかりが残り限界集落になりつつある当地区の現状など、日頃の報道、ニュースでは窺い知ることができない様々な課題についてお伺いいたしました。