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大学院
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健康社会システム研究科[健康福祉専攻]

前期2年の課程

修学年限 2年
入学定員 10名
取得学位 修士(健康福祉)

後期3年の課程

修学年限 3年
入学定員 2名
取得学位 : 博士(健康福祉)
医療・保健・福祉分野の専門知識を活用し
疾病・障害予防を探究します


 従来のリハビリテーション医療と健康福祉に分かれていた分野を学際的に統合することに配慮して、教育と研究を行います。
 専門分野としてのリハビリテーション医療では、理学療法学と作業療法学、言語聴覚学、視覚機能眼科学、そして保健福祉では保健福祉システム論と保健福祉総合サービス論、これらに加えて両者に共通する長寿科学、地域社会環境・住環境論を教育、研究します。
 それぞれの専門性を追求するとともに関連分野に関する幅広い知識を身につけることによって、リハビリテーション医療と保健福祉分野の牽引役となる人材を育成します。
健康福祉専攻の研究分野
〜 健康で活力のある地域社会のために 〜

健康福祉専攻

リハビリテーション医療分野

ひとの動きを科学する
  • 身体運動学、運動生理学を探求する。
  • プログラミング技術を身につけ、解析能力を高める。
  • 日常動作のしくみを明らかにする。
ひとの生活を科学する
  • よりよく生きるための活動を考える。(人間作業モデル)
  • 活動性を高めるための方法を探求する。
ひとの認知を科学する
  • 言語機能、聴覚機能を探求する。
  • 視覚機能を光学的に探究する。
  • コミュニケーション能力を高める方法を明らかにする。

保健福祉分野

長寿を科学する
  • Successful Aging の概念を高齢期の健康及び生活の質(QOL)の保持・増進と関連づけて整理する。
  • 健康長寿の延伸を支援するための人的・物的環境の整備、ヘルスプロモーションの役割・意義について学ぶ。
地域における保健福祉システムを理解する
  • ニーズの多様化が進むなどの保健福祉サービスの現状を踏まえて、今後の地域における保健福祉システムの方向性を、保健福祉サービスの歴史考察や障害者福祉、マネジメント、心理学などの観点から検討する。

看護(NP養成分野)

看護の枠を超える
  • 医師団の指導により医学知識・技術を修得する。
  • 健康長寿の延伸を支援するための人的・物的環境の整備、ヘルスプロモーションの役割・意義について学ぶ。
急性期医療を支える
  • 周術期・救急領域でのチーム医療の要として活躍できる能力を修得する。
慢性期医療を支える
  • 病院から在宅に至るまで切れ目のない医療を提供できる能力を修得する。

研究紹介(リハビリテーション医療分野)

日常動作の研究-運動軌道・運動パターン形成論-身体運動学領域 
藤澤 宏幸 教授 研究グループ


 我々の研究室では、日常生活動作の運動軌道および運動パターン形成について、エネルギーコストの最適化仮説をもとに研究を進めています。ひとの身体は多くの関節から成り立っており、運動自由度が大きいのが特徴です。運動自由度が大きいということは、色々なやり方(運動パターン)で動作を行えることにつながり、それを運動等価性と言います。

 例えば、階段を昇るにしても、正面からも昇ることができますし、横向きで昇ることもできます。けれども、身体に不自由を感じていない人々は、似たようなやり方(運動パターン)で階段を昇るでしょう。それがどのように選択されているのかは、実のところ明らかにされていません。最適化についても、エネルギーコストを基本とし、環境に依存して目的関数が異なることもあります。まずは、多くの人々が選択している運動パターンを明らかにして、運動機能などに問題が生じた場合、どのような運動パターンを選択すべきかを明示できることを目指しています。

研究紹介(保健福祉分野)

高齢者の健康づくりと介護予防 「地域は生きた研究室~地域に学ぶ実践的研究の展開」 
吉田 裕人 教授 研究グループ


 本学は2006年1月、宮城県登米市と保健福祉分野での連携に合意し、覚書を締結しました。
 これまでに介護予防を目的として、高齢者の健康づくりの活動拠点を各地区の公民館や集会所に求め、そこで中心となって活躍する高齢者ボランティアリーダーを養成し、彼らの活動がリーダー自身や地区の高齢者の健康生活に与える影響について研究を進めてまいりました。

 この研究は2000年の宮城県の三本木町(現大崎市)で開始しましたが、地区住民の状況が類似していて、こうした活動を行っていない地区と比較して、地区高齢者の転倒や閉じこもりといった要支援・要介護のリスクの発生率が低いことがわかりました。
この研究成果が評価され、登米市でも高齢者ボランティアリーダーの養成と活動を基盤とした介護予防事業の展開を意図して、本学との連携による介護予防事業を行うに至りました。

 このように地域に内在する高齢期の人的資源を有効に活用し、住民主体の活動ネットワークを広げていくことの有効性を実証する科学的知見を蓄積すべく、今後も足繁く地域に出向き、研究活動を展開してまいります。

Graduate student interview

冨澤 義志さん(健康福祉専攻 修了)

冨澤 義志さん(健康福祉専攻 修了)
研究の方法論を深く学ぶことができます
 本大学院は深い知識や能力を培えるだけでなく、研究の方法についても基礎から徹底して学ぶことができる環境が整っています。授業を通して学んだ研究の進め方やデータの取り方、処理の仕方などは、とても実践的で役立つものでした。

 私は、臨床で研究を行うことのできる理学療法士を目指しています。そして、将来は仕事を通して社会や地域に貢献していきたいと思っています。EBM(evidence-based medicine 根拠に基づいた医療)が重要視されている現在、理学療法士にとって研究は必要なことです。