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工学部 知能情報システム学科
工学部 知能情報システム学科

学科長・教授 鈴木 陽一

鈴木陽一
SUZUKI, Yôiti


学歴・学位

学位・資格
工学博士(1981,東北大学)
第2級無線技術士
公害防止管理者(騒音・振動)
第1級アマチュア無線技士

学歴
会津若松生まれ,仙台育ち
1976 東北大学工学部電気工学科卒業
1978 東北大学大学院工学研究科博士課程前期2年の課程電気及通信工学修了
1981 東北大学大学院工学研究科博士課程後期3年の課程電気及通信工学修了

職歴

1981 東北大学電気通信研究所助手
1987 東北大学大型計算機センター助教授
1989 東北大学電気通信研究所助教授
1991-1992 ミュンヘン工科大学客員研究員
1999-2019 東北大学電気通信研究所教授
2009-2017 東北大学情報シナジー機構長
2017-2021 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)耐災害ICT研究センター長
2021- 東北文化学園大学工学部知能情報システム学科教授・学科長

所属学会・役割

主な所属学会
日本音響学会 (名誉会員,2005-2007会長,2017-2021監事等を歴任)
日本バーチャルリアリティ学会(フェロー,2006 大会長,2014-2018理事等を歴任)
電子情報通信学会(フェロー)
米国音響学会(フェロー)
韓国音響学会(国際名誉会員)
IEEE
情報処理学会
騒音制御工学会
感性工学会 など会員

主な顕彰
1976 RCA David Sarnoff Scholarship
1986 日本音響学会粟屋潔学術奨励賞
1992,1994,2017 日本音響学会佐藤論文賞
2005,2013 FIT2005船井ベストペーパー賞
2011 日本VR学会論文賞
2014 東北大学情報科学研究科研究科教育賞
2016 平成28年文部科学大臣表彰科学技術賞
2021 第72回日本放送協会放送文化賞

主な社会貢献
1993-1994 文部省・大学の理工系分野の魅力向上に関する懇談会メンバー
1999-2007 仙台市環境影響評価審査会委員(2003-2007年 委員長)
2001-2002 九州芸術工科大学外部評価委員
2004-2014 仙台市環境審議会委員(2006-2014年 副会長)
2005-2011 文部科学省科学技術・学術審議会専門委員 (情報科学技術委員会)
2012-2016 超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム (URCF) 会長
2008-    石田財団理事
2009-2017 総務省情報通信審議会委員
2011-2017 日本学術会議連携会員
2012-    宮城県仙台第一高等学校SSH運営指導委員長

担当科目

基礎セミナー
卒業研究入門
卒業研究Ⅰ
卒業研究Ⅱ
知能情報システム実験
マルチメディア工学
マルチメディア工学概論
情報通信工学
知能情報システム特別講義Ⅰ
知能情報システム特別講義Ⅱ

研究テーマ

 情報通信技術(ICT)は,私たちに新しい空間と時間との関係を与え続けてきました。たとえば19世紀後半には,電話が距離の壁を越えた音声コミュニケーションを,電気蓄音機は時間の壁を越えた音の記録を可能にしてくれました。20世紀の半ばにはテレビが私たちの生活を大きく変えました。

 現在では,エレクトロニクス(電子工学)を基盤としたコンピュータとネットワーク技術の進歩により,たとえばスマートフォンひとつあれば,私たちは遠くの人ともいつでも自由にコミュニケーションがとれるようになりました。また,遠隔会議は当たり前で,遠隔地同士の人が一緒にもの作りに取り組める時代になってきています。このようなコミュニケーションでは,音(聴覚情報)や映像(視覚情報)など,複数の感覚情報(マルチモーダル感覚情報)を自由にやりとりできることがとても重要です。

 その中でも,音(聴覚情報)は,音声(言語情報)を理解したり,音楽を楽しみ,ときには危険を察知したりするために重要な役割を果たしています。一方,聞きたくない音(騒音)を防ぐことも大事です。また,映像(視覚情報),さらには全身振動や動き(加速度情報)など他の感覚情報も一緒にやりとりができると,より強い臨場感を感ずることも可能になります。テーマパークのアトラクションで,音と映像に加えて,イスが少し前に揺れると,その(加速度情報の)効果で,「落ちる!」という強い感覚が得られたりするのも,その一例です。

 感覚にかかわる情報システムを作るには,人間の感覚情報の処理の仕組みを知ることがとても大事です。なぜなら,どのようなコミュニケーションでも,そのどちらかの端には必ず人間がいて,情報システムの恩恵を受けるのは私たち人間ですから。私は,このように考え,次のようなテーマの教育と研究を進めています。

・音空間情報の知覚と,高臨場感3次元聴覚ディスプレイに関する研究
・音と音を含む多感覚情報(マルチモーダル情報)の知覚に関する研究
・音と音を含む多感覚情報(マルチモーダル情報)の感性評価に関する研究
・屋外拡声システムの高度化に関する研究

主たる論文・著書

主な論文
Implicit estimation of sound-arrival time (共著), Nature, 421(6926), p.911 (2003) 
1~50mの距離においた小光源と両耳に与えた短音が同時に到来したと判断されるときの時間差を心理物理学実験によって求めました。その結果,光源の距離が2,30mまでは,音を音速に相当分遅らせたときに同時と感じられることを明らかにしました。これは脳が音の伝搬速度を暗黙のうちに学習,利用しているためと考えられます。

Effects of head movement on front-back error in sound localization(共著), Acoustical science and technology, 24(5), pp.322-324. (2003).
バイノーラル聴覚ディスプレイを用いて合成したバーチャル音空間を用いて,頭部運動に対応した信号処理の有無による音空間知覚実験の結果から,頭部運動に対応した音情報を提示することが音空間知覚に多大な効果を持つことを示しました。

Equal-loudness-level contours for pure tones (共著), J. Acoustical Society of America, 116(2), pp.918-933 (2004). 
等ラウドネスレベル曲線は周波数の異なる音が同じ音の大きさ(ラウドネス)に聞こえる音圧レベルを結んだ等高線で,聴覚の基礎特性です。この論文では,多くの研究結果(自身のものを含む)にラウドネス知覚モデルを適用し,新しい等ラウドネスレベル曲線を与えました。この成果は2003年に全面改定された国際規格(ISO226)に活用され,いまも使われ続けています。

Comparison of the effects of verbal versus visual information about sound sources on the perception of environmental sounds. Acta Acustica united with Acustica, 92(1), pp.51-60 (2006).
環境騒音の評価に,言語情報と映像情報が与える影響を検討しました。その結果,騒音源が何を示す情報が重要であることを示しました。また,言語情報と映像情報が与える影響には差異があり,それが環境騒音のイメージの違いによると考察しています。

臨場感の素朴な理解 (共著), 日本バーチャルリアリティ学会論文誌, 15 (1) pp. 7-16 (2010).
大学生,大学院生約200名を対象に,「臨場感」をどのように理解しているか調査しました。その結果,「あたかもその場所にいるよう」という辞書的意味のみならず,感動を呼ぶ実世界の現象という複数の理解があること,聴覚,視覚が強く関与すること等を明らかにしました。

Effect of word familiarity on word intelligibility of four continuous words under long-path echo conditions (共著), Applied Acoustics, 124, pp. 30-37 (2017).
防災無線のような屋外拡声音を聞く場合,大きな時間差を持った音(ロングパスエコー)は音声の理解を妨げる大きな要因です。この論文では,文章に用いられる単語として,なじみのある単語(親密度が高い単語)を用いると音声の理解が高まることを示しています。

音から生成した全身振動の周波数特性が高次感性に与える影響 ―多感覚情報の高次感性を定める要因の解明を目指して― (共著) 日本バーチャルリアリティ学会論文誌, 26 (1),pp. 62-71 (2021).
音・映像情報に全身振動情報が加わると臨場感が高まることが知られています。しかし,ほとんどの情報コンテンツには振動情報が含まれていません。この論文では,音から作成した振動情報でも臨場感や迫真性などの高次感性が高めうることを確認し,それがどのような要因によるのかを検討しています。

上に示したものも含めて,私の論文のほとんどは 私の Google Scholar プロフィールに掲載されています。

主な著書
 音のなんでも小辞典 (共著)講談社(1996)
超臨場感システム (共著)オーム社(2010)
 音響学入門(日本音響学会編,共著)コロナ社(2011)
 聴覚モデル(日本音響学会編,共著)コロナ社(2013)
 基礎音響学(日本音響学会編,共著)コロナ社(2019)
 The Technology of Binaural Understanding (共著) Springer (2020)
 聴覚(日本音響学会編,共著)コロナ社(2021)

趣味・特技

いずれも下手の横好きですが。
ゴルフ(下手です)
アマチュア無線(昔取ったきねづか?)
コントラクトブリッジ(あまり上手ではありませんが前職ではクラブの顧問をしていました)
読書(宮部みゆき,藤沢周平,東野圭吾,森本梢子……など。ミステリー,SF系が好きです)

受験生の皆さんへのメッセージ

 情報技術分野で仕事をしていきたいと思っている皆さんを待っています。この学科なら,情報技術とコミュニケーションスキルがしっかり身につきます。そして4年生になったら,私と一緒に聴覚(音)情報処理,マルチメディア情報処理に関係した卒業研究に取り組みませんか。