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医療福祉学部 リハビリテーション学科・作業療法学専攻

ゼミについて

4年次に開講される作業療法実践特論、作業療法研究特論は、卒業研究をおこなう科目です。この科目では、学生はどちらかの興味、関心のある科目を履修します。少人数制のゼミ活動です。臨床実習を通して感じた疑問、授業での疑問など調べ、まとめることで一連の研究過程を学ぶことができます。

作業療法実践特論
近年、作業療法の領域は医療から保健・福祉へと拡大し、病院から在宅や地域へと継続して行われています。作業療法の対象も乳幼児から高齢者まで幅広く関わっています。作業療法が必要とされる対象者に対して行われている作業療法の実践について調査をします。

作業療法研究特論
作業療法に関する技術や理論の研究・発展に必要な研究の基礎知識を学び、演習を通して研究方法を学びます。テーマに関する先行研究を探し、研究計画を立案します。その後、データの収集、解析を行い、研究結果をまとめます。

どちらの科目も特論発表会を行います。質問や意見をいただくことで、より一層理解が深まります。また、研究を通して、客観的な事実を得ることができます。抄録や論文などにまとめ、得られた結果を他者に伝えることで、卒後の作業療法士としての仕事に役立てることができます。

ゼミ紹介

王ゼミ〈作業療法学生の卒業後の進路について~本学と台湾大学との比較~〉

本学と台湾大学の作業療法学生3・4年生を対象に進路希望調査について調査し、結果を比較しました。卒業後すぐの進路は両校のOTSとも就職を選択する学生が多い結果でした。進みたい領域では、本学学生は身体障害領域、台湾大学の学生は領域を迷っている人、発達障害領域が多い結果でした。
また、両校ともに実習を通して、就職への関心が向上するということが分かりました。台湾大学の学生は、在学時より研究参加の機会が多いこと、発達障害領域の実習経験や施設が多いことから、発達障害領域への就職や進学で悩む学生が多いのではないかと考えられました。

担当教員研究テーマ
作業療法学(身体障害領域)

高橋ゼミ〈非利き手での箸操作練習における効率的な方法の検討〉

非利き手での箸操作の練習方法について、痛みなどの負担が少なく、短時間で効果が出る練習方法を検討しました。右利きの健康な大学生20名(男女各10名)をランダムに2群に分け、A群は箸で大豆をつまんで移動する反復練習を、B群は箸先でお手玉を滑らせたり、ひっくり返す練習をそれぞれ4日間実施し、2群の練習時間は同一としました。

練習後、大豆を10個つまんで移動する時間を測定したところ、どちらの群も同程度所要時間が短縮されました。一方で、練習に伴う筋肉痛・疲労・ストレスはお手玉練習群の方が少なかったことから、お手玉での練習のほうが、箸先の感覚が伝わりやすく、必要以上の力を要さず、負担の少ない練習が出来ると考えました。

担当教員研究テーマ
作業療法学
(認知障害・身体障害領域)

髙木ゼミ〈臨床実習に伴う作業バランスの変化に関する研究〉

私たちの日常は様々な作業の連続で構成されています。作業は「したい作業」もあれば「しなければならない作業」もあり、これらのバランスが健康に影響するとされています。今回は臨床実習という環境の変化によって、作業のバランスがどのように変化するのかについて検討しました。
その結果、臨床実習中は「したい作業」の割合が減少し、「しなければならない作業」が増える傾向にありました。また、同じ作業でも実習中は「したい作業」であったものが、実習中には「しなければならない作業」に変わったものもありました。
臨床実習は10週間もの間、慣れない環境で行わなければなりません。健康に実習を乗り切るためにも作業のバランスに注意しながら、日々の生活を送る必要があると考えられます。

担当教員研究テーマ
作業療法学(身体機能領域)

首藤ゼミ〈本学学生の各学年の認知症の理解度に関する研究〉

地域包括ケアシステムのなかで、作業療法士は地域で暮らす人たちに向けて認知症の理解を深めるための活動を行うことがあります。

そのような場面において、どのような教え方がより認知症の理解を深められるのかを調べるため、認知症に関する教育を受けた経験が異なる1年生から4年生の学生に認知症に関する知識を調べるアンケートを行い、各学年で受けた実習の経験を含めた授業科目の内容と、各学年の学生の認知症の理解度の比較を行いました。

担当教員研究テーマ
作業療法学(身体障害領域)


西澤ゼミ〈TMT(Trail Making Test)が評価しうる注意機能の要素に関する研究〉

TMT(以下、Trail Making Test)は、紙面上にランダムに書かれた1~25の数字や、数字と平仮名を順番にできるだけ速く線を引いていき、終了までの時間を測るものです。

この検査では、選択性(必要な情報を選ぶこと)、持続性(集中し続けること)、配分性(同時に2つ以上の物事に注意集中すること)注意等を評価できるとされています。しかし、これらの注意の比重はよく分かっておらず、今回はこれらの比重について明らかにすることを目的としました。

実験の結果、配分性注意、持続性注意を主に評価しているのではないかと考えられました。


担当教員研究テーマ
自然人類学(生態機構学)


大黒・矢萩ゼミ〈職業アイデンティティ・キャリアに関する文献研究~医療職目指す学生や、一般の大学生・職業人を対象として~〉

学生と担当教員が一緒に研究テーマを模索する中で、学生より「作業療法士の仕事に対する理解が学習意欲に関連するのでは?」、「臨床実習で作業療法士という仕事の魅力を再発見し、一層勉学に励もうと思った」という声が挙がりました。

そこで本研究では、医療職を目指す学生と、一般の大学生や職業人に分け、職業アイデンティティ・キャリア形成のきっかけや、形成過程について文献調査を行いました。

調査の結果、
① 早期からの実践的な経験
② モデルとなる職業人との出会い
③ 所属する集団の環境や様々な経験を自身の職業に活かすこと
これらが、職業アイデンティティ・キャリア形成に繋がることが分かりました。

担当教員研究テーマ
作業療法学(身体障害領域)
作業療法学(精神障害領域)


津田ゼミ〈血糖の変動と作業スピードに関する研究〉

ブドウ糖を摂取すると、血糖値が上がることが知られています。ブドウ糖を摂取する集団と、そうでない集団を比較し、巧緻課題の作業速度の変化を調べました。

実験課題は折り紙で鶴を2つ連続で折ることです。
実験初日と5日目の最終日を比べると、ブドウ糖を摂取した集団の方が、課題を速く終了させることができました。血中のブドウ糖濃度の上昇は、折り紙で鶴を折るといった、細かい手の動きが必要な課題の時間を短縮する可能性があることが分かりました。

ブドウ糖を摂取することで神経細胞が活性化されること、筋活動が促進する可能性が考えられました。

担当教員研究テーマ
神経学


北川ゼミ〈作業効率と音環境の関係〉

学生が精神障害領域の臨床実習で、患者さんが作業活動に取り組む際にBGMが流れていたのがヒントになり、作業効率と音環境の関係を調べることになりました。 
同級生に協力をしてもらい患者役をしてもらって試してみたところ、作業効率と音環境にはあまり関係が無いことがわかりました。

 このような場面は日常生活にもあります。勉強しているときに音楽を聴く、勉強しているときにテレビを観るなどしていますよね。しかし、目から入ってくる情報(勉強)と耳から入ってくる情報(音楽)がひとつの場合と目から入ってくる情報(勉強・テレビ)が2つの場合とでは異なります。目と耳からひとつだけだと、それほど影響がないようです。

担当教員研究テーマ
心理学(行動老年学・老年心理学)

本多ゼミ〈本来両手で行う動作を片手で行った時の動作特性―利き手・非利き手の手指機能の違いの検証〉

ヒトの左右対となった器官の多くには、“利き”というものがあり、手は利き手を主に使い操作性や細やかな動きに優れ、非利き手は劣ると考えられています。

しかし、本来は両手で行う動作である折り紙作業を片手のみで行った場合には、利き手・非利き手間で動作時間や負担度に違いがないことをこれまで本研究室で実験的に検証してきました。

本来両手で行う動作は,両手が対となって動く特性があるため,片手で行う場合は、経験の乏しい新しい動きであり、熟練された書字や箸動作等とは異なり、左右で同じ動作特性を示したのではないかと考察しました。しかし、より細かな紙を用いたり、練習を重ねることで、利き手・非利き手での違いが出てくるのではないかと考え、実験を重ねています。


担当教員研究テーマ
作業療法学(発達障害領域)