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医療福祉学部 リハビリテーション学科・作業療法学専攻

学びの特色

作業療法が必要となるあらゆる現場で活躍できる人財を養成
作業療法士を必要とする領域は非常に広く、これからますます広がって行くと考えられています。主な活躍の場は次の通りです。

身体障害領域:一般病院や療養型病棟など
高齢障害領域:介護老人保健施設、特別養護老人ホームなど
精神障害領域:精神病院など
養成研究機関:大学、専門学校の教育など
発達障害領域:心身障害児総合通園センターなど
行政機関:保健福祉センターなど
本学では幅広い現場で即戦力となる人材を養成するために、独自の教育環境を整えています。全国でも少ない発達支援教育や、充実した臨床実習などが特色です。

①進路に影響する国家資格の取得を個別サポート

4年次の夏以降から国家資格の取得に向けた本格的な対策が始まります。学生同士がグループを作って互いに教え合う環境をつくり、国家資格のための対策授業、複数回の模擬試験の実施など多くの対策を行ないます。各グループに担当教員が付き、一人ひとりにしっかり向き合いながら、個別に指導・アドバイスを行います。

国家試験対策について
4年次後期に開講される作業療法学特別演習は国家試験対策の授業であり、1年次からこれまでの内容を総復習します。4~5名程度の少人数で勉強を行うことにより、グループの仲間と全員で作業療法士の国家試験に合格する意識を高めていきます。また、グループ毎の進行及び到達状況を担当教員が随時確認しながら、弱点部分を個人指導やグループ指導及び全体での特別講義に分けて随時フォローすることで弱点を克服していきます。
国家試験対策期間について
国家試験対策期間を9月から2月までの6ヶ月間設けています。この6ヶ月間は国家試験対策の授業を行っています。作業療法学特別演習の他にも、模擬試験やこれまでの授業の中から、良く出題されるところや全国と比較し、正答率が低い分野は繰り返し講義をしています。また、点数が伸びず悩んでいる学生に対して、同じ内容の授業を、時間をかけてゆっくり行います。
模擬試験について
国家試験の過去問題を反映した模擬試験や業者が実施する模擬試験を繰り返し行います。模擬試験は8月から国家試験直前まで10回ほど行います。この模擬試験を繰り返して行っていくことで弱点を分析し克服できるよう徹底的に指導しています。
既卒生の対応について
ここ数年の国家試験の合格率は70~80%で推移しています。万が一、国家試験に合格できなかった場合でも次年度につなげられるように教員と学生とが連絡を取り合いながら、対策を行ないます。在学時と同様、国家試験対策授業、模擬試験、教員の個別指導を受けることができます。さらに、キャリアサポートセンターを通して就職活動もすることができます。作業療法士の国家試験に合格するまで万全のサポートをしています。

②全国でも少ない「発達支援教室」

発達障害領域での臨床実習施設の不足が指摘される中、2008年から「発達支援教室」を開設。学生達は、見学したり一緒に活動したりするなど、貴重な臨床実習を重ねることができます。心身の発達に課題を抱えた子供たちの、日常生活や勉強、社会性などの改善について実践的に学んでいます。

③歴史ある「臨床実習」

本学では臨床実習を重視し、現場と共に独自の教育内容・方法を長年培ってきました。

臨床体験Ⅰ・Ⅱ:臨床実習に向けた学習(医療、保健、福祉現場の見学・体験など)
臨床実習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ:身体、精神、老年、発達における長期実習
臨床実習指導者会議
臨床実習前ゼミ(少人数ゼミナール式)
臨床実習への経済的支援(宿泊費全額大学負担など)
カリキュラム改定に向けて

これらの教育システムは「リハビリテーション教育評価機構」からも高い評価を獲得。これが国家資格取得者の就職率100%を支えているとも言えます。


臨床体験Ⅰ・Ⅱ
臨床体験は、保健・医療・福祉における領域で作業療法の見学や一部体験を行ないます。専門職を目指す学生としての自覚を養い、作業療法について知るための授業です。福祉施設でのボランティア実習と長期休業期間中には、学生自らが関心のある病院、施設を選択し、自ら依頼して作業療法の見学を行なっています。

現場での臨床体験を行う前後には授業を行い、
・接遇や職場マナー(挨拶、電話のかけ方、礼状の書き方など)
・車椅子の介助法
・ボランティア実習、施設見学後の報告書の添削指導、実習の振り返り
などを実施しています。

作業療法の見学や一部体験を通して
・専門職を目指すものとしての自覚を養う
・作業療法の一部分を知ることができる
など身につけることができます。
臨床実習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
臨床実習は、作業療法士として必要とされる様々な領域(身体、精神、老年期、発達)で行います。作業療法士の働く、様々なリハビリテーションに関連する病院や施設に実習に行くことにより作業療法士になるために必要な幅広い知識と技術を身につけます。本専攻では臨床実習前に実習に向けての準備を教員と一緒に行い、スムーズに臨床実習に臨めるような取り組みも行っています。実習では社会人の一人として行動し責任を負うということが要求され、その経験が学生を社会人へと育てていきます。苦労をしながら実習を乗り越えて帰ってきた学生の顔には、経験を積んで目標を達成したことへの充足感と、実習に行く前に比べて人間として一回り成長した姿が見て取れます。それぞれの内容は次の通りです。
【臨床実習Ⅰ】
2年生後期に2週間で行なわれます。作業療法の概要と役割を学び、対象者を理解するために、面接や情報収集を実施し、評価計画を立案する実習です。また、実際に立案した評価の一部を経験します。実習終了後は、小グループでの報告会を行い、他領域の作業療法の役割や他疾患の評価計画についても聞くことができ理解が深まります。

この実習や実習後の報告会を通して
・実習施設におけるリハビリテーションの現状や作業療法の役割の理解
・対象者との適切な関係形成とコミュニケーション技術
・必要な評価計画を立案し、評価の意義の理解
など身につけることができます。

【臨床実習Ⅱ・Ⅲ】
3年生後期、4年生前期にそれぞれ10週間で行われます。作業療法の一連の実践過程を経験する実習です。また、病院、施設の作業療法部門の業務を一部支援し、部門の管理運営についても経験します。実習後には小グループで担当させていただいた方の情報の共有や事例報告会用のレジュメのチェック、作業療法アプローチや評価の違いなどを学生同士で確認します。それらをもとに後日、事例報告会を行ないます。

臨床実習Ⅱ・Ⅲでは、パワーポイントを用いて発表を行ないます。
・対象者の全体像を把握しながら作業療法の一連の過程を実施
・対象者の支援を行う上で必要となる他職種との連携
・職業人としての将来像の確立
などを身につけることができます。

それぞれの臨床実習において、教員は実習施設に連絡をしながら実習の進行状況や学生の状況などを確認し、学生がよりよい実習を行えるよう支援をしています。また臨床実習指導者との話し合いを通して、実習内容を一部修正したり、進行状況によっては経験内容を変更したり、学生に合わせた指導ができるよう、調整を行なっています。特に臨床実習Ⅱ・Ⅲでは実際に臨床実習を行なっている病院、施設へ教員が訪問をし、上記の内容について、話し合いを行いながら進めています。
【臨床実習指導者会議】
実習が始まる前に臨床実習指導者会議を開催しています。臨床実習で指導者として関わっていただく作業療法士の方をお呼びして、実習の位置づけや到達目標、臨床実習の進め方等の説明をし、情報共有をしています。また、指導者と学生との面談も行なっています。事前に臨床実習の指導者とお話をする機会を得ることで、学生は実習までの期間を有効に過ごすことができます。

【臨床実習前ゼミ】
それぞれの実習前には領域ごと小グループに分かれて活動を行います。グループで計画を立てながら、評価の練習やこれまで習った知識や技術の確認などを行ないます。分からないところなどは授業担当の教員から再度教えてもらったり、参考書などを参照したりします。小グループでの活動になるため、授業ではあまり触れなかった臨床での出来事や経験を聞くことができることもゼミ活動のメリットの一つです。
【臨床実習への経済的支援】
臨床実習中の食費や光熱費を除く宿泊費は、大学が全額負担しています。移動に伴う交通費は往復1万円までは自己負担となりますが、1万円以上を超えた分は大学が負担します。また、実習中に電車やバスでの移動が必要な場合は、新たに定期などが必要となりますが、学割での利用が可能です。臨床実習に集中できるよう支援をしています。
【カリキュラム改定に向けて】
以前の臨床実習の形態は臨床実習Ⅰが2週間、臨床実習Ⅱ・Ⅲがそれぞれ8週間、計18週間でした。現在は、臨床実習Ⅰが2週間、臨床実習Ⅱ・Ⅲがそれぞれ10週間、計22週間となっています。臨床実習の形態を変更するにあたり、身体、精神、老年期、発達のそれぞれの領域で、十分に経験のある臨床実習の指導者の方を本学にお呼びして会議を開催しました。2013年(平成25年)に複数回の会議を行ない、指導者の先生方との話し合いによって発展的な意見をいただくことができました。大学が考え提案する臨床実習の進め方について指導者の先生の意見を伺い修正し、各領域の指導者の先生の考えも取り入れた実習形態となっています。

数年後にはまたカリキュラムの改定が行われます。改定に伴い、臨床実習についても再度、指導者の方の意見を取り入れながら、学生と指導者、大学にとって有意義な実習になるよう、発展させていきたいと考えております。

ここがポイント!

【1】東北一を誇る卒業者数

前身の専門学校(東北医療福祉専門学校)と大学の卒業者数は、1283名で東北1位(全国でも2位)。長年培ってきた独自の教育システムや国家試験対策が高い合格率を支えています。また、全国で活躍する卒業生が築き上げた、厚い信頼と実績があるのも本学の強みです。

【2】知識、技術修得に最適な施設環境

4年間をかけてしっかりと必要な知識と技術を学べるのが大学の利点。作業療法士に必要な専門科目だけでなく、看護・保健学概論、専門職連携セミナーなど医療や福祉の関連分野の知識も身に付けることができます。また、学内には必要な道具・機器・実習室が整備され、最適な教育環境を提供しています。


基礎作業実習室(陶芸用の窯)
ADL室(日常生活活動支援の演習に使用)
ADL室(日常生活活動支援の演習に使用)
教員実験室(卒業研究や教員の研究に使用)
教員実験室(卒業研究や教員の研究に使用)


③充実した専門スタッフ

作業療法士11名と、医学・運動学・心理学各1名の合計14名の専任教員スタッフを揃えています。作業療法士の免許を持つ教員のなかには、臨床実習認定指導者※の資格を持つ教員が6名、認定作業療法士※の資格を持つ教員が5名、専門作業療法士※の資格を持つ教員が1名います。心理学を専門とする教員は公認心理師※の資格を持っています。

これらの資格を持つ教員はより専門な知識を兼ね備えています。専門科目の教員だけでなく、関連する分野の専任教員がいることで、ゼミ活動や、作業療法実践特論や作業療法研究特論(卒業研究)等では幅広い知識を効果的に身に付けることが出来ます。2020年より、2名の認定作業療法士を配属することが養成校に義務付けられますが、本学では2018年度時点で6名を配置しています。

※臨床実習認定指導者・・・養成カリキュラム等の改定により、臨床経験3年目以上が臨床実習において指導できるシステムでしたが、臨床経験5年目以上へと変更になりました。加えて、臨床実習指導者研修が必要となりました。臨床実習認定指導者とは、臨床経験が5年以上あり、この研修を終了した指導能力の高い作業療法士のことをいいます。

※認定作業療法士・・・作業療法の臨床実践、教育、研究及び管理運営に関する一定の能力を有する作業療法士のことをいいます。

※専門作業療法士・・・認定作業療法士のうち、特定の専門作業療法分野において高度かつ専門的な作業療法実践能力を有する作業療法士のことをいいます。

※公認心理師・・・保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、心理に関する支援を必要とする者の心理状態の観察や結果の分析、相談、助言、指導などの行為ができる者をいいます。

④充実した初年次教育

④充実した初年次教育
 大学入学後は、これまで受けてきた学校教育との学びの違いに戸惑うことが少ないよう、基礎ゼミナールⅠ・Ⅱという科目で初年次教育を行っています。

ゼミでは、5人程度のグループに担当教員がつきます。主な内容は、大学での学習方法を学ぶこと、レポートの作り方、図書館での資料や文献などの集め、まとめることなど、大学4年間で必要となる勉強の土台つくりをすることです。課題をすすめるうえで不安や心配事が生じた場合は、それらを解消できるよう個別に対応していますので、安心して大学生活をスタートさせることができます。

毎週、授業の際には、ポートフォリオ(自宅や学内での勉強時間や勉強内容を毎日記載した活動記録)の確認を行い、自身の振り返りや、勉強方法について教員と話し合っています。

 加えて1年次には、特別養護老人ホームなどの施設でのボランティア実習や作業療法士が勤務している施設へ見学を行う科目を設けており、早期から作業療法士の仕事について具体的に学ぶことが出来ます。

これまでの基礎ゼミナールⅠ・Ⅱの様子
2016年度基礎ゼミナールの様子
2018年度基礎ゼミナールの様子

【5】台湾大学との「国際交流」

台湾大学の学生と国際交流
 2014年6月に台湾の台北市にある国立台湾大学作業療法学科との交流を正式に開始しました。本専攻の王治文准教授は国立台湾大学出身の作業療法士で、このようなつながりが国際交流のきっかけとなりました。
毎年、王准教授と専攻教員、国際交流や海外の作業療法に興味のある学生、特論の学生とともに台湾大学や附属病院を訪問しています。具体的には、下記のような交流等を行なっています。

1.教職員および研究者の交流
2.学生の交流
3.共同研究の実施:外灘作業療法学会にて発表
4.台湾大学での講義・講演、およびシンポジウムの実施
5.学術情報および資料の交換

台湾の作業療法士の人数は約4000人であり、日本の作業療法士は約9万人と人数に開きがあります。国の人口や、文化の違いから医療制度や作業に対する考え方も異なっています。日本はアメリカに次ぎ、2番目の作業療法士数になっていますが、海外に目を向けると作業療法士を必要としている国や地域が多くあります。国際交流を通して、このような違いを学び、独立行政法人国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊などでボランティアとして活動することもできます。

これまでの国際交流の活動内容について
2014年6月 国際交流に関する覚書
2015年4月 台湾大学へ訪問、交流
2016年4月 台湾大学へ訪問、交流
2017年4月 台湾大学へ訪問、交流
2018年4月 台湾大学へ訪問、交流(前編)(後編)
2018年7月 台湾大学の学生が本学へ来校、病院見学
2019年4月 台湾大学へ訪問、交流(前編)(後編)

【6】卒業生との交流

卒業生との交流
「TBGUOT交流会」と称して、2016年より毎年8月に交流会を開催しています。卒業生に講演をして頂いたり、領域別の仕事内容について紹介して頂いたりしています。近年は、臨床実習に関するテーマのもと、3年生を中心に卒業生との交流を行なっています。

 現場の生の声を直接聴くことができ、臨床実習前の学生にとっては、不安が軽減したり、臨床実習の楽しさを感じ取ることができます。また、この交流会で出会った卒業生が指導者になることもあり、貴重な経験をなっています。卒業後からつながりを持つのではなく、在学時からネットワークを広げることで、就職のことや、将来どの分野で働くかなど、おおまかなイメージ作りが可能です。卒業生は、目標となるもっとも身近な作業療法士像となっています。

 加えて、3月には卒業生会で研修会を開催しています。ちょうど春休みの時期にあたるため、多くの学生の参加とはいきませんが、国家試験を終えた4年生を中心に参加しています。

これまでの活動内容について(2016年以降を中心に紹介)
2016年8月 交流会 青年海外協力隊での活動について
2017年8月 交流会
 ①地域リハビリテーションで活躍するOT
 ②4領域の仕事について―日々の勉強、実習、就職活動に役立てよう―
2017年3月 研修会テーマ「福祉用具の適用について」、症例発表
2017年8月 交流会 理想的な臨床実習について考えよう
2017年3月 研修会テーマ:「臨床で使えるコーチング型医療コミュニケーションスキル」、症例発表
2018年8月 交流会 臨床実習Ⅱを控えた学生と卒業生との交流会
2019年3月 研修会テーマ:「臨床で困る痛みへの対応について」、症例発表

【7】多職種連携教育

多職種連携教育
多職種連携とは、対象者や患者に対して治療やケア等を行うために、医師や看護師、介護福祉士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚等、様々な専門職が連携することを言います。多職種連携を学ぶにあたって、保健医療福祉連携論(講義)、専門職連携セミナー(演習)が開講されています。

【保健医療福祉連携論】3年次前期
 保健、医療、福祉における多職種連携の理念、現状、方法、連携の実際について学びます。生活を支援する作業療法士ですが、この科目を通して各専門職の役割や機能を理解することでき、お互いに尊重しながら連携することの意義も学ぶ事ができます。

【専門職連携セミナー】3年次通年
多職種への理解を深めることができるとともに、作業療法士としての専門性を再認識できます。近年は、東北医科薬科大学の学生、白百合女子大学の学生も参加しており、学内の専門職を目指す学生だけでなく、他大学で専門職を目指す学生との交流も可能となっています。