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総合政策学部 総合政策学科

しんぶん学生モニター

総合政策学部准教授 馬内里美


河北新報社と図書館共同開催の新聞記事スクラップノート作成企画に参加した。約1か月間新聞を読み、気に入った記事を選び、コメントをつけるという。大学初めての試みである。すばらしい企画だと学生に勧めたが反応が今一つ。申し込んでいない学生も参加できる、とガイダンス開催のお知らせが来たので、基礎ゼミの一部として一年生に参加させた。

ガイダンス担当の河北新報社からのお一人は、まわし読み新聞という新聞活用イベントでお世話になった畠山さんである。楽天優勝のころだったことが思い出される。まわし読み新聞については、以前この国見テラスで書いたこともある。

伝授してもらった新聞を3分で読むコツで、目を通し、気になる記事を見つける。気になった記事をスクラップノートに張り付け、コメントを書く。新聞を読み慣れていない学生にとっては大変かもしれない。白状すると、私の場合、記事選びに苦労しなかったが、コメントは後回しになってしまった。

知人の名前や写真を見つける機会が全国紙に比べて多いのは地方紙の楽しみである。知人の活躍の紹介記事はやはり選びたくなる。総合政策学部では、外部で活躍される方々を講師に招く特別講座を開講している。私も震災以降の地域づくりとエネルギー問題をテーマとした特別講座を担当しているが、お呼びしているお二人の名前を紙上で見つけた。

実際に毎日続けていくと、いつもと違った読み方をしていることに気がついた。スクラップ記事を選ぶ目的をもって読むと、選んだ記事が次の記事を引き寄せるように、関連記事や続報が目に入ってくる。仙台港の石炭火力発電所建設問題については、以前に資料をもらったままだったが、試運転の記事に驚いた。漠然とまだ建設段階だと思っていたからだ。改めて資料を読むと、深刻な問題に危機感を持つ。そうなると、小さくても続報や関連記事が気になるものである。

今はネットで情報を得ることが多いが、改めて地方紙を毎日読むと、身近なことを知る大切さを実感する。エネルギー問題を含めた地域づくりは、まさに地方紙が得意とする分野だ。こまめに読む必要性を実感した。

地方紙はさしずめ地元の食材を取り入れたビュッフェ食堂だ。何を選び、どう味わったか。私はしっかり食べて満足だが、成り行き上入ってしまった食堂で、参加学生は、ちゃんと食べて体力をつけただろうか。