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総合政策学部 総合政策学科

世界最大の親日人口を持つ国

2020.3.2
総合政策学部教授 王元

 昨年9月に日本の言論NPOと中国国際出版集団が日中の両国民を対象とした共同世論調査を実施した。その調査結果によれば、中国人の日本への印象は「良い」は前年比2.5ポイント増の45.9%だった。中国は世界最大で6.4億強の親日人口を持つ国である。しかし、日本人の中国への印象は「良い」は15%だったため、中日の間に大きな格差がある。

出典:「第15回日中共同世論調査」結果
http://www.genron-npo.net/world/archives/7379.html

 実際、日本人の中国への好感度は近年、すでに大幅に改善されている。2014年の6.8%から2019年の15%と、2.2倍増を実現した。

 日本で生活している筆者は、この変化を明らかに感じることができる。2012年から中国語を学習する日本の学生が大幅に減少したが、筆者が担当する「中国研究」、「アジア研究」の選択科目には殆ど影響がなかった。日本の若者は領土紛争により中国に反感を抱いているだろうが、中国への好奇心は依然として存在している。

 2017年と2018年に学生を引率して上海研修に訪れた時、日帰りで杭州を訪問した。2018年9月上旬の研修に天気が悪く、アリババ本社を訪問する計画が取り消しになった。学生たちはこのことをいつまでも忘れられず、帰国後に馬雲会長が一年後にも引退すると聞くと、余計に悔念を強めた。

 日本人の中国への好感度は今後も上昇するだろうが、その過程はやや複雑になるだろう。1970年代と80年代前半であれば、日本人の中国と米国に対する好感度には大きな差がなかった。しかし1985年より低下が始まり、2012~14年に最低まで落ち込んだ。日本人が中国に「良くない」印象を持つ最も大きな理由は、領土問題の51.4%だ。この数字は昨年の58.6%からは減少したが、依然として非常に高い。

 日本政府も最近、中日関係の改善で戦術的な調整から戦略的な転換に舵を切った。一般的な日本人は当然ながら、日本と中国の関係改善を願っているはずだ。日本人の韓国への好感度は、この40年に渡り平均40%前後となっていることから、まずは40%という関門をクリアされるでしょう。